「俺がウイルスを持ちこんだと考えるヤツらもいる」
新型コロナウイルスの影響で、各国リーグが中断や打ち切りを余儀なくされるなか、自らの給与、または貯金を切り崩して、医療従事者や貧困にあえぐ母国に寄付をするフットボーラーは少なくない。
だが、そうした風潮に水を差すような決断をした男がいる。元トーゴ代表FWのエマヌエル・アデバヨールだ。
2003年にモナコで一躍ブレイクを果たしたアデバヨールは、その後、アーセナルやマンチェスター・シティ、レアル・マドリーなど5か国10チームを渡り歩き、36歳となった現在はパラグアイの強豪オリンピアでプレーしている。
だが、そうした風潮に水を差すような決断をした男がいる。元トーゴ代表FWのエマヌエル・アデバヨールだ。
2003年にモナコで一躍ブレイクを果たしたアデバヨールは、その後、アーセナルやマンチェスター・シティ、レアル・マドリーなど5か国10チームを渡り歩き、36歳となった現在はパラグアイの強豪オリンピアでプレーしている。
現在はパラグアイ・リーグが中断されたため、母国トーゴに帰国中というアデバヨールは、現地時間4月23日に行なったFacebookのライブ配信中に自ら「俺は寄付なんかしない」と言い放ったのだ。
「俺が母国に寄付をしていないと言っている君たちに告ぐよ。これは明らかにしておきたいんだ。いいかい? 俺は寄付なんかしない。実にシンプルな話だ。俺は自分がやりたいことをやり、食べたいものを食べる。それだけだ」
一聴するだけでは、傲慢な発言にも取れる。だが、以前に親族から執拗に金銭を要求され、「自殺も考えていた」と明らかにしていたトーゴ・サッカー界が生んだスターには、故郷へ熱心な寄付を続けているディディエ・ドログバやサミュエル・エトーといった他のアフリカ人スターとは異なった考えがある。アデバヨールは、さらにこう続けている。
「俺がトーゴに寄付をしなかったという事実で批判してくるヤツらがいる。一部の人間は、俺がロメ(トーゴ首都)にウイルスを持ち込んできた人間だと考えているぐらいだ。とても残念だが、この国はそんなもんだ。人々は俺をドログバやエトーと比較する。だけどな、俺は残念ながら彼らではない。俺はエマヌエル・アデバヨールだ。だから、いつだって俺がやりたいことをするだけだ」
自身の態度をハッキリと示したアデバヨール。そんな彼のコメントにSNSでは、「足枷になるようなら寄付はするな」や「自由人でいて欲しい」といった賛同する意見が寄せられた一方で、「スターなら困っている人々を救うべきでは?」や「自分だけが助かればそれでいいのか?」といった手厳しいネガティブなコメントも殺到している。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部