1月にCFの定位置を争う若手の実力者が加入
新型コロナウィルスの感染拡大でラ・リーガの2部が中断するまで、ウエスカは間違いなく1部昇格に相応しい戦いを見せていた。その上り調子のチームにあって、岡崎慎司は開幕から常にハイパフォーマンスを披露していたわけではない。ベンチスタートを強いられた試合も少なくなかった。
しかし、途中出場であってもチームに貢献できるのがこの男の真骨頂であり、ミチェル監督は巧みにその良さを活かしながら、チームのシステムに組み込んできた。
パフォーマンスに波がありながら、重要な貢献を果たすという一見すると矛盾するかもしれない岡崎への評価は、指揮官の采配やチームの戦術とも関係する。ウエスカが志向しているのは、いま流行りのハイテンポな攻撃的なサッカーだ。プレスの位置は局面に応じてハイ、ミドル、ローと高さを調整する。前線の構成は試合中に2トップを採用することはあるが、3トップが基本だ。
1月にCFの定位置争う若手の実力者、ラファ・ミルが加入したため、一時はスタメンから遠ざかった時期もあったが、前線からのプレスやスペースへのフリーランを買われ、拮抗した試合展開の勝負どころでは必ずこのベテランFWが起用されてきた。
チームトップの8得点をマークしながら、スタメンが19試合しかないのは、少ないようにも見える。だが、裏を返せば、途中出場でもどんな試合展開でも仕事ができるプレーヤーだから、ということでもある。
特筆に値するのが、味方のためにスペースを空けるオフ・ザ・ボール時の動きで、岡崎が相手DFを引き付けてミケル・リコやクリスト・ゴンサレスといった周囲の選手がゴール前に飛び出す形はチームの攻撃の重要なオプションの一つになっている。
しかし、途中出場であってもチームに貢献できるのがこの男の真骨頂であり、ミチェル監督は巧みにその良さを活かしながら、チームのシステムに組み込んできた。
パフォーマンスに波がありながら、重要な貢献を果たすという一見すると矛盾するかもしれない岡崎への評価は、指揮官の采配やチームの戦術とも関係する。ウエスカが志向しているのは、いま流行りのハイテンポな攻撃的なサッカーだ。プレスの位置は局面に応じてハイ、ミドル、ローと高さを調整する。前線の構成は試合中に2トップを採用することはあるが、3トップが基本だ。
1月にCFの定位置争う若手の実力者、ラファ・ミルが加入したため、一時はスタメンから遠ざかった時期もあったが、前線からのプレスやスペースへのフリーランを買われ、拮抗した試合展開の勝負どころでは必ずこのベテランFWが起用されてきた。
チームトップの8得点をマークしながら、スタメンが19試合しかないのは、少ないようにも見える。だが、裏を返せば、途中出場でもどんな試合展開でも仕事ができるプレーヤーだから、ということでもある。
特筆に値するのが、味方のためにスペースを空けるオフ・ザ・ボール時の動きで、岡崎が相手DFを引き付けてミケル・リコやクリスト・ゴンサレスといった周囲の選手がゴール前に飛び出す形はチームの攻撃の重要なオプションの一つになっている。
岡崎は決して個で局面を打開できるタイプの選手ではない。しかし、その一つの動きがブーストとなって攻撃の潤滑油となれる存在であり、相手の守備陣を間延びさせギャップを作り出すうえで有形無形の貢献を果たしているのだ。
その下地となっているのがゲームの流れを読むインテリジェンスの高さであり、試合展開に関係なく、どんな状況であっても貢献できるのもその能力の賜物だ。選手の評価というのは、必ずしも先発出場数や出場時間だけでは計れないという事実を、この日本人ストライカーは示しており、リーグ戦再開後、昇格を目指すウエスカとミチェル監督にとって実に頼もしい存在だ。
岡崎の魅力がよく表われていたプレーが、ラ・リーガ23節のテネリフェ戦でミケル・リコの同点ゴール(7分)をお膳立てした巧みな動きだ。右サイドからミゲロンが送り込んだクロスに対し、ファーポストに飛び込みミケル・リコをフリーにしたのだが、一見なんでもないこのプレーにそのサッカーIQの高さが凝縮されていた。
文●アレハンドロ・アロージョ(エコス・デル・バロン)
翻訳●下村正幸
その下地となっているのがゲームの流れを読むインテリジェンスの高さであり、試合展開に関係なく、どんな状況であっても貢献できるのもその能力の賜物だ。選手の評価というのは、必ずしも先発出場数や出場時間だけでは計れないという事実を、この日本人ストライカーは示しており、リーグ戦再開後、昇格を目指すウエスカとミチェル監督にとって実に頼もしい存在だ。
岡崎の魅力がよく表われていたプレーが、ラ・リーガ23節のテネリフェ戦でミケル・リコの同点ゴール(7分)をお膳立てした巧みな動きだ。右サイドからミゲロンが送り込んだクロスに対し、ファーポストに飛び込みミケル・リコをフリーにしたのだが、一見なんでもないこのプレーにそのサッカーIQの高さが凝縮されていた。
文●アレハンドロ・アロージョ(エコス・デル・バロン)
翻訳●下村正幸