当意即妙なプレーで得点機を演出
[練習試合]横浜8-3甲府/2月29日
口をついて出てくるのは、自分への“ダメ出し”ばかりだった。
2月29日に行なわれたヴァンフォーレ甲府とのトレーニングマッチ(45分×3本)で、横浜F・マリノスは合計スコア8-3の大勝を収める。ボランチの喜田拓也は、トータルで約70分間プレー。いつものように中盤でタフに戦ったが、しかし本人はその出来にまったく納得していなかった。
「チームのプラスになり切れたかというと、まったく満足感はない」
「攻守両面において、もっとやらなければダメ」
「まだまだ自分の力が足りない。それは今日、率直に感じたこと」
「みんな、チームが勝つために自分のやるべきことを全うしている。そういう面で、自分は足りていなかった。力不足を認めるしかない」
甲府戦のみならず、1-2で敗れたリーグ開幕戦も引き合いに出し、「ガンバ戦でも足りていなかったと思う。そこは自分を甘やかしてはいけない」と表情を引き締める。
その胸中を占めるのは、危機感なのか、向上心なのか――。喜田は「自分でも分からないですね。どういう言葉で表現すればいいのか」と思い迷う一方で、「危機感とか向上心とか、何かにとらわれているわけではないです」とも言う。
はっきりしているのは、「もっとやらなくてはいけない」ということ。「シンプルに、もっとチームの力になりたい。本当にそれだけ」と簡潔に説明する。
自省の念にかられる喜田だが、甲府戦のパフォーマンスがそこまでひどいものだったかと言えば、決してそんなことはない。とりわけ攻撃面で効果的なプレーを連発していた。
メインポジションはボランチだが、ウイングが中に絞ればタッチライン際の空いたスペースに飛び出し、CFがサイドに流れれば、最前線にも顔を出す。臨機応変に適所に位置取り、攻撃をスムーズにする。実際、そうした動きを見せる喜田を起点に、複数のゴールが生まれていた。
口をついて出てくるのは、自分への“ダメ出し”ばかりだった。
2月29日に行なわれたヴァンフォーレ甲府とのトレーニングマッチ(45分×3本)で、横浜F・マリノスは合計スコア8-3の大勝を収める。ボランチの喜田拓也は、トータルで約70分間プレー。いつものように中盤でタフに戦ったが、しかし本人はその出来にまったく納得していなかった。
「チームのプラスになり切れたかというと、まったく満足感はない」
「攻守両面において、もっとやらなければダメ」
「まだまだ自分の力が足りない。それは今日、率直に感じたこと」
「みんな、チームが勝つために自分のやるべきことを全うしている。そういう面で、自分は足りていなかった。力不足を認めるしかない」
甲府戦のみならず、1-2で敗れたリーグ開幕戦も引き合いに出し、「ガンバ戦でも足りていなかったと思う。そこは自分を甘やかしてはいけない」と表情を引き締める。
その胸中を占めるのは、危機感なのか、向上心なのか――。喜田は「自分でも分からないですね。どういう言葉で表現すればいいのか」と思い迷う一方で、「危機感とか向上心とか、何かにとらわれているわけではないです」とも言う。
はっきりしているのは、「もっとやらなくてはいけない」ということ。「シンプルに、もっとチームの力になりたい。本当にそれだけ」と簡潔に説明する。
自省の念にかられる喜田だが、甲府戦のパフォーマンスがそこまでひどいものだったかと言えば、決してそんなことはない。とりわけ攻撃面で効果的なプレーを連発していた。
メインポジションはボランチだが、ウイングが中に絞ればタッチライン際の空いたスペースに飛び出し、CFがサイドに流れれば、最前線にも顔を出す。臨機応変に適所に位置取り、攻撃をスムーズにする。実際、そうした動きを見せる喜田を起点に、複数のゴールが生まれていた。
喜田はこともなげに振り返る。
「流動的に動くなかで、各々がいなければいけないポジションを考えた時、自分がいる位置はその場所が最善だったという判断です」
オートマティックに、ポジションをローテーションする。それが横浜の『アタッキング・フットボール』の強みであり、喜田はそれをしっかりと体現していた。
「型はあるけど、ないみたいな。でもそこが、うちのサッカーの面白さであり、ミソ。(相手は)掴みにくいと思うし、ボールを受けなくても、ポジショニングだけで相手を惑わせることもできる。そこは考えています」
味方と相手とボールの動きをつぶさに観察し、先の展開を読み、即座に機転を利かせてポジションを取る。ゴールチャンスにつながった、そうした当意即妙なプレーには、本人も少なからず手応えを感じてもよさそうなものだったのだが……。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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「流動的に動くなかで、各々がいなければいけないポジションを考えた時、自分がいる位置はその場所が最善だったという判断です」
オートマティックに、ポジションをローテーションする。それが横浜の『アタッキング・フットボール』の強みであり、喜田はそれをしっかりと体現していた。
「型はあるけど、ないみたいな。でもそこが、うちのサッカーの面白さであり、ミソ。(相手は)掴みにくいと思うし、ボールを受けなくても、ポジショニングだけで相手を惑わせることもできる。そこは考えています」
味方と相手とボールの動きをつぶさに観察し、先の展開を読み、即座に機転を利かせてポジションを取る。ゴールチャンスにつながった、そうした当意即妙なプレーには、本人も少なからず手応えを感じてもよさそうなものだったのだが……。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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