一体なぜ、チンパンジーを採用したのか?
イタリア・サッカー界で、またも人種差別を巡る騒動が起きている。しかも、今度は本来ならば、そうした問題を解決するはずのセリエAのリーグ機構(レガ・セリエA)が発端となったのだから驚きだ。
現地時間12月16日、レガ・セリエAは、昨今サッカー界で相次いでいる人種差別問題に立ち向かうためのキャンペーンを行なうことを発表。同時に宣伝用のポスターを公開した。
問題は、そのポスターである。なんとそこに描かれていたのは、3匹のチンパンジーだったのだ。今年11月にブレッシャのマリオ・バロテッリが敵サポーターたちからのモンキーチャントに怒り、ボールをスタンドに蹴り入れる騒動があったばかりだというのに、何ともナンセンスである。
レガ・セリエAの最高責任者であるルイージ・デ・シエルボは、「我々はあらゆる形の偏見に断固として反対している。人種差別は特有で、非常に複雑な問題だ。だからクラブや選手と一緒になってイニシアチブを取りたい」と説明。さらにポスターの作画を担当したシモーネ・フガネッゾは、チンパンジーをモチーフにした理由を次のように説いた。
「人間のメタファーとして猿を描くことにした。青と白の眼をした欧米の猿と、アーモンドの形をしたアジアの猿、そしてその間に全てのルーツである黒い猿を配置したんだ。人間も猿も違いなど何もない。私たちはみな似ているということを伝えるキッカケとして猿を選んだ」
現地時間12月16日、レガ・セリエAは、昨今サッカー界で相次いでいる人種差別問題に立ち向かうためのキャンペーンを行なうことを発表。同時に宣伝用のポスターを公開した。
問題は、そのポスターである。なんとそこに描かれていたのは、3匹のチンパンジーだったのだ。今年11月にブレッシャのマリオ・バロテッリが敵サポーターたちからのモンキーチャントに怒り、ボールをスタンドに蹴り入れる騒動があったばかりだというのに、何ともナンセンスである。
レガ・セリエAの最高責任者であるルイージ・デ・シエルボは、「我々はあらゆる形の偏見に断固として反対している。人種差別は特有で、非常に複雑な問題だ。だからクラブや選手と一緒になってイニシアチブを取りたい」と説明。さらにポスターの作画を担当したシモーネ・フガネッゾは、チンパンジーをモチーフにした理由を次のように説いた。
「人間のメタファーとして猿を描くことにした。青と白の眼をした欧米の猿と、アーモンドの形をしたアジアの猿、そしてその間に全てのルーツである黒い猿を配置したんだ。人間も猿も違いなど何もない。私たちはみな似ているということを伝えるキッカケとして猿を選んだ」
そうした主張に対し、世間は呆れかえるばかりである。反差別団体の『Fare』は、「イタリアのサッカー界に世界が言葉を失った」と遺憾の意を露わにした。
「レガ・セリエAは何を考えているのか。彼らは誰か専門家に相談をしたのだろうか。当局が人種差別に対処していない国では、このような病的なキャンペーンが起こり得る。まるでジョークのように簡単に。これらの創造物に対しては怒りしかない。彼らは非生産的であり、アフリカにレガシーを持つ人々の非人間化し続ける。より進歩的なクラブが声を上げる時が来た」
当然、選手側やクラブからも反感の声が上がっている。今年9月のカリアリ戦で人種差別被害にあったインテルのベルギー代表FWロメル・ルカクの代理人は、「レガ・セリエAは口を開くたびに物事を悪化させる。結局、彼らの理解不足を晒すだけだ。」と手厳しく批判。さらに強豪ローマも「これが正しい方法であるとは考えない」と声明を発表している。
多くの反対を受け、レガ・セリエAはポスターの見直しを図るのか。そうでなければ、さらなる物議を醸すのは避けられないだろう。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部