試合終了間際にゴールを決めたバロテッリだったが…
サッカー界で積年の問題となっているのが、人種差別だ。レイシスト(人種差別主義者)の追放をするために様々な取り組みが行なわれるなか、またもイタリアで悲しい事件が起きた。
現地時間11月3日に行なわれたセリエA第11節のヴェローナ戦で、ブレッシャのマリオ・バロテッリが敵サポーターから“モンキーチャント(猿の鳴きまね)”を送られたのだ。
53分を過ぎた時だった。左サイドのコーナーフラッグ付近で味方からのスローインを受けたバロテッリは、突如としてボールを手にすると、ヴェローナ・サポーターが陣取るゴール裏のスタンドへ思い切り蹴り込んだのである。
そして、鬼気迫った表情でスタンドに何かを言い放つと、ゴール裏を通って、ピッチを去ろうとする。このただ事ではない様子に、主審は試合を中断。両軍の選手が怒りが収まらないバロテッリはなだめるという異様な光景が広がった。
中断から約5分後に戻ったバロテッリは、試合終了までピッチに立ち続け、85分にはゴールを決める活躍を見せたが、1-2で負けたこともあり、その表情は曇り切っていた。
イタリアでは昨今、選手がサポーターから差別的な中傷を受ける事例が続いており、今年4月に行なわれたカリアリ対ユベントスの一戦では、モイゼ・ケーン(現エバートン)とブレーズ・マテュイディが、昨年12月のインテル対ナポリの試合ではカリドゥ・クリバリが、モンキーチャントが浴びせられた。
現地時間11月3日に行なわれたセリエA第11節のヴェローナ戦で、ブレッシャのマリオ・バロテッリが敵サポーターから“モンキーチャント(猿の鳴きまね)”を送られたのだ。
53分を過ぎた時だった。左サイドのコーナーフラッグ付近で味方からのスローインを受けたバロテッリは、突如としてボールを手にすると、ヴェローナ・サポーターが陣取るゴール裏のスタンドへ思い切り蹴り込んだのである。
そして、鬼気迫った表情でスタンドに何かを言い放つと、ゴール裏を通って、ピッチを去ろうとする。このただ事ではない様子に、主審は試合を中断。両軍の選手が怒りが収まらないバロテッリはなだめるという異様な光景が広がった。
中断から約5分後に戻ったバロテッリは、試合終了までピッチに立ち続け、85分にはゴールを決める活躍を見せたが、1-2で負けたこともあり、その表情は曇り切っていた。
イタリアでは昨今、選手がサポーターから差別的な中傷を受ける事例が続いており、今年4月に行なわれたカリアリ対ユベントスの一戦では、モイゼ・ケーン(現エバートン)とブレーズ・マテュイディが、昨年12月のインテル対ナポリの試合ではカリドゥ・クリバリが、モンキーチャントが浴びせられた。
今年9月のカリアリ戦ではインテルのロメル・ルカクも標的となり、「みなさん、もう2019年だよ。それなのに前進するどころか後退しているじゃないか」と切実に訴えていた。
そうしたなかで、再びイタリアで起きたサポーターによる人種差別行為に各国メディアは、嘆きの声を上げている。
英紙『Daily Mail』は、「バロテッリは、素晴らしいゴールで差別に立ち向かったが、最近のイタリア・サッカー界はネガティブなことばかりだ」と非難。さらにフランス・メディア『Euro Sport』は、「セリエAは人種差別が作り出す悲しい物語を繰り返している」として、次のように綴っている。
「今度はバロテッリが被害者となった。こないだはルカクやロナウド・ヴィエイラ(サンプドリア)、フランク・ケシエ(ミラン)が犠牲者となった。これだけ人種差別の事件が起きているというのに、チャントに対する具体的な制裁は何もない。全くもって馬鹿げている」
今回の騒動を受けて、イタリアのサッカー界は、どのように対策を取っていくのか。これ以上の被害者を出さないためにも、早急な改善が求められる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部