J2降格確定とともに進化の兆しも…磐田、リーグ2連勝の戦いぶりは来季のベースとなるか?

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2019年12月02日

球際で相手を負かし、やるべきことをやって2連勝

名古屋戦は松本(中央)のゴールで先制。いったんは追いつかれるものの後半に突き放し勝利を収めた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 虚しい勝利では、決してないだろう。

 10年間勝てなかった名古屋をホームで2-1で下したが、16位の湘南が広島に勝利したために勝点4差を縮められず、最終節を待たずにJ2降格が決定した磐田。難敵相手に積み上げた勝点3は、残留争いの上では意味がないものになってしまった。だが、この一戦は、一時は攻守両面で連係力を失い、出口の見えない不調に苦しみ抜いた選手にとって「これを来季の戦いのベースにしたいし、しなければいけない」(松本昌也)と思える、内容的に大きな手応えを得た試合となった。


 システムは4-4-2。守備はコンパクトにして中を締めて外へ相手を追い込み、ボール奪取を狙う。攻撃はピッチの横幅を広く使い、ボールを動かして左右に揺さぶりながら数的優位ができたところでサイドを崩していくなど、フベロ監督は就任以来シンプルなコンセプトを打ち出し、練習ではそれを実践するためのポジショニングやボールの動かし方など、状況に応じたプレーを細かく指示してきている。

 フベロ体制となった直後は3連敗を喫したが、その後の7試合で得た勝点は13。立て直しの成果は数字の上でも明らかだが、アウェーで勝利した前節・札幌戦の後、藤川虎太朗が「監督のサッカーが浸透してきている。勝てたので自信もついてきた」と語ったように、選手もそれを実感。名古屋戦では、さらに明確に進化を感じとれたようだ。

 先制点を挙げ、大久保嘉人の決勝点も実質アシストした殊勲の松本は、「とくに攻撃は今シーズンで一番よかったのではないかと思う。開始からみんないい所でボールを受けていて、ボールの回し方が良く自分たちの形が出せてチャンスも今までで一番多く作れた。やるべきことが整理されて、試合でどういうことをすれば自分たちのゲームになるかということを、一人ひとりが明確に意識してやれている。今日は中央からの崩しも何回かあったので、ボール回しがもっとうまくできるようになれば、縦パスも入る回数が増えるのではないかと思う」と、チームのポジティブな変化を語った。
 

 この試合、名古屋は中盤で磐田に攻撃を組み立てるのに都合のよいスペースを与えてしまう時間が多かった。「(ボール)の回し方は変えずに、自分や(藤川)虎太朗が、中盤のスペースに下りたりしてそこをうまく使うというように、試合の中で自分たちで相手の嫌なところを突けるようにもなってきている」と松本。相手サイドバックが攻め上がることが少ないという試合前の分析を受け、高めの位置取りでセカンドボール回収に貢献した宮崎も、「今は全員が周りをしっかり見ることができ、ボールと相手を動かすサッカーが少しずつ形になっている」と語る。

 球際でのファイト、粘り強さも相手を上回った。
「当たり前のことだけど、フベロ監督になってよりその強さを求められている。今日のようなプレーを続けてJ1に戻りたい」と言う宮崎だけではなく、名古屋戦を振り返る選手たちの表情には、自信を得た明るさ以上に、言いようのない悔しさが張りついていた。勝利しながら降格が決まったからだけではない。球際で相手を負かし、やるべきことをやって連勝したこの2試合で、自分たちに力があることを感じたがゆえに、それを発揮できずに降格したことが、悔しさを倍増させたのかも知れない。
 

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