バラバラだったチームを一つにまとめた「監督の思惑」と「愛媛FCのDNA」

カテゴリ:Jリーグ

江刺伯洋

2019年11月07日

この時期の選手マネジメントは悩みの種

主将のFW西田剛(右)と副主将のGK岡本昌弘(左)(C)SOCCER DIGEST

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 チームがバラバラのまま終幕を迎えるのか愛媛FCは大きな岐路に立たされていた。

 直近の3試合、36節・アルビレックス新潟戦で0-1、37節・FC岐阜戦で0-2、38節・モンテディオ山形戦も0-3と、いずれも無得点で敗れ今季4度目の3連敗を喫していた。

 試合内容が悪いわけではない。いずれの試合でもチャンスは作れており、目指すサッカーが出来ていないわけではなかった。ただ大きな何かが欠けていた。

 そこには昇格もなく降格圏に沈むわけでもないチームが抱える試合へのモチベーションの低さが影響していた。現在勝点42で16位につけるチームは、降格圏の21位栃木SCとは勝点9差。条件によっては次節にも降格の2チームが決定する状況で、昇格プレーオフ圏の6位水戸ホーリーホックとは勝点22差ある。

 愛媛FCのような毎年主軸にレンタル選手を多く抱える地方クラブにとって、この時期の選手マネジメントの問題は悩みの種だ。

「そこはかなり難しいです」

 川井健太監督はこの数試合、システム変更や選手起用に手を加え、なんとか活性化を試みたが結果は好転しなかった。

 やってきたことにブレはない。問題は自分たちの中にある。ベクトルを内側に向けてもう一度原点に立ち返る。危機感を感じていたのは選手たちも同じで今週はベテランを中心に選手間ミーティングを何度も行った。

「自分だけに集中して楽しくやりたい。でもそれではチームが成り立たない。チーム
を良くしたいから発言する」

 7年目最古参のFW・河原和寿は最も危機感を感じていた一人だ。

 11月3日の39節・FC町田ゼルビア戦。そんな河原の代わりにピッチに立ったのが、在籍6年目の主将のFW西田剛と副主将のGK岡本昌弘だった。

 特に西田は、この日がシーズン初の先発出場。川井監督はチームのピンチに最も信頼のおける切り込み隊長をチョイスしたのだ。

「(チームに与える)メンタル面を求めてたわけではなく純粋に選手として彼を選び
ました。ただ背中からいろんなものを発信する〞臭いは消せない〟タイプなので。今
日も勝手に出ちゃってましたね(笑)」
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