歴代2位の大記録、20年連続ゴールを達成!愛媛FCで奮闘する山瀬功治の新たな野望

カテゴリ:Jリーグ

江刺伯洋

2019年05月16日

山瀬は現役にこだわる強い想いと同じ熱量をチームにも向ける

今年でプロ20年目を迎えた山瀬は「同じような年代のひとたちより先に辞めるのは嫌」と語った。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 12節の大宮アルディージャ戦、9分にその時は訪れた。
 
 相手ペースで進む立ち上がりで一瞬の隙を見逃さなかった37歳のミッドフィルダー。最終ラインからボランチへのビルドアップをかっさらっての先制ゴールだった。
 
 山瀬功治がJリーグ歴代2位となる20シーズン連続得点を決めた。
 
「相手がこっちのケアをしてなかったので結果として奪えた。あとは運も重なった」と本人は謙遜するが、あのゴールにはいろんな要素が詰まっていたと絶賛するのは、同い年でチーム指揮官の川井健太監督だ。
 
「まず予測。奪う技術。そこからのドリブル。そしてシュートのテクニック。すべてがハイレベル」
 
 ただその後、逆転され結局は勝ちきることが出来なかった。ボールを大切にする方向性にブレは無いが、勝点を取り逃し、下位に沈むチームに山瀬は警鐘を鳴らす。
 
「いつか好転するだろうっていう考えは安易すぎる。強い意志があってなおかつ今やってる事をしっかり積み重ねることを意識しないと」
 
 愛媛FCにA代表の肩書を持った選手が加入したのは初めてだ。
 
 昨年、アビスパ福岡を契約満了になり、地元の大学で練習しながらひたすらオファーを待った。
 
「僕は今しがみついてでもやってるんで。福岡でも愛媛でもチームを探しましたし。出来るだけ長くやりたい。同じような年代のひとたちより先に辞めるのは嫌ですね。悔しいです」
 
 愛媛では、加入当初こそ途中出場が多かったが、徐々にプレー時間を伸ばし先発も増えてきた。

 誰もが知る攻撃力の高さに多少の衰えを感じるかもしれないが、間近で見る選手にとって彼のプレーはいまだ一級品だ。
 
「全部参考になります。特にボールの受け方。どの方向からからでも次の行動に移せる。肌で感じてホントに凄い」
 
 ボランチコンビの田中裕人は決して経験の浅い選手ではないが目を輝かせて答えた。
 
 もうひとりの同級生で少年時代(SSS札幌サッカースクール)の同窓生でもある現・愛媛FCレディース・赤井秀一監督が注目するのは連続ゴールだけではない。
 
「それは”出続けないと”取れない記録ですよね。今でも献身的で安定してる。怪我なく戦って欲しいです」
 
 では、試合に出続けるために気を付けてきた事とは?
「すべてですよ。食事、トレーナーにマッサージしてもらう、睡眠。もっと言ったらその時間で風呂に入る入らないとか。そういう細かい事をいかにサッカーに結びつけて過ごすかが大事」
 
 愛媛県には、もう一人同い年で元日本代表同士のFC今治(JFL)・駒野友一がいる。
 
「スタメンで出てボールも集まって来るし、周りから信頼されてる。いつか同じカテゴリーで戦いたい」と元チームメイトに大きな刺激を受けている。
 
 山瀬は現役にこだわる強い想いと同じ熱量をチームにも向ける。
 
「チームがもっと地域の深いところに入り込めるような関係性になれば、次のステップになる。住んでる人が全員、愛媛FCを好きになってくれればサポーター数一番になりますよ。そのために魅力的なチームにならなきゃいけないし、結果も出さなきゃいけない。そういう意味で夢は広がりますよね。住んでる人の数だけ可能性があるんですから」
 
 頂点を知る男の目は笑っていなかった。
 
取材・文●江刺伯洋(南海放送アナウンサー)

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