百戦錬磨の山瀬功治が実感する愛媛FCの成長。リーグ後半戦で台風の目に?

カテゴリ:Jリーグ

江刺伯洋

2019年07月11日

折り返しの21節では、首位の山形と互角のスコアレスドロー

山瀬は「ここ数試合はやってきたことが少しずつ形になり始めてる」と口にした。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 西日本豪雨から1年が経った7月7日、シーズンちょうど真ん中のJ2リーグ21節で、17位の愛媛は首位のモンテディオ山形と対戦した。
 
 首位チームを相手に今の自分たちの立ち位置はどこなのか。「基準になる試合だ」と戦前に川井健太監督が意気込んだこの日のゲームは愛媛優勢のなか、スコアレスドローの決着となった。
 
 守備では高い集中力で相手の攻撃の芽を摘み取りペースを掴んでいった愛媛。攻撃は堅守・山形のコア部分に侵入できずボックス外でのパス回しを強いられたが、幾度か左サイドの下川陽太が相手深部への突入に成功した。
 
 前半のシュートは愛媛2本、山形0本。数字が表すとおり決定機は少なかったがヒリヒリする様な45分間だった。
 
 隙が出始めた後半、愛媛は藤本佳希や神谷優太が惜しいシュートを放ち、終盤にかけては互角以上にまで持ち込んだ。
 
「チャンスが作れたなかで点が入らなかった」
 
 勝てなかった悔しさを前提に、リーグトップに立つチームを脅かした事実に川井監督は誇らしげな表情で「あとは決め切る事が大事ですが……そこはもっともっとチャンスを作る。そこにフォーカスしたい」と記者会見を締めくくった。

 地元出身選手としてチームを引っ張る前野貴徳は「良い試合と悪い試合が交互にあった」とシーズン前半を振り返る。
 
 昨年チームを降格の危機から救った若き指揮官で挑む2年目は、開幕前の期待値が例年以上に高かった。“ボールを大事にするポゼッションサッカー”で悪くないスタートを切ったかに見えた。しかし、5節からの3連敗でいきなりつまずく。おまけに6節・FC町田ゼルビア戦ではJ2史上初1試合シュート0本の不名誉な記録を作ってしまった。
 
 かと思えば、13節・鹿児島ユナイテッドFCに敗れ、降格圏21位に沈んだ翌節。アウェーのアルビレックス新潟戦でクラブ史上に残る大逆転劇を演じファンを驚喜させた。奇しくも湘南ベルマーレが埼玉スタジアム2002で起こしたあの奇跡の翌日。普段はクールな川井監督が「自分史上最高の大声を出した」というハーフタイムで曺貴裁監督に負けないくらいのマジックをかけ、2点ビハインドをひっくり返した。
 
 前半戦のハイライトは17節・柏レイソル戦。トゥーロン国際出場で神谷、長沼洋一の主軸が抜けたなかでやってみせた今季のベストゲームだ。立ち上がりから主導権を握り続けた愛媛は、先制後に一度追いつかれたものの、途中出場の丹羽詩温と有田光希のゴールで完勝。今季ホーム最多となる7,874人のサポーターが泥臭く走り続ける”ザ・愛媛”のサッカーに酔いしれた。
 
 やれる力はあると何度も証明しているだけに、選手・スタッフは、今の順位に納得いっていないだろう。立ち上がりの不安定さを回避するロングボールとの併用。現メンバーを脅かす新戦力の台頭。前半戦で一度もない連勝の達成。ゴール前での精度……。現時点で愛媛が抱える課題は少なくない。
 
 しかし、ブレずにやり続けたなかでしか見えない明るい兆しも見えている。今や欠かせない存在の新加入ベテラン山瀬功治は言う。
 
「ここ数試合はやってきたことが少しずつ形になり始めてる。なので僕はシーズンの後半戦が楽しみですね。ただ、他のチームも成長してるので同じスピードではダメですけど」
 
 春に吹かなかった愛媛旋風を秋にこそ。シーズンはもう半分が終わってしまったのか。いや、まだ半分もあるじゃないか。
 
取材・文●江刺伯洋(南海放送アナウンサー)

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