ヴェローナ市長は「みんなの反応は驚き」と語る
イタリアにおける人種差別問題の根深さを物語る発言だ。
現地時間11月3日に行なわれたセリエA第11節、ブレッシャのマリオ・バロテッリは、ヴェローナのサポーターに向けてボールを蹴り飛ばし、人種差別の混じった野次に激怒した。またも心ない罵声を浴びせられ、心の傷をさらにえぐられたイタリア代表FWには、各方面から励ましの声が寄せられている。
だが、その翌日、ヴェローナのウルトラスの“ボス”は、地元メディアで、「バロテッリはイタリアの市民権を持つが、完全なイタリア人ではない」と述べたのだ。(イタリア紙『Gazzetta dello Sport』より)
「(差別)チャントは彼の頭の中だけで聞いたものだ。ハゲやロン毛の選手、南部や有色人種をからかうことはあるが、政治的ないし人種差別的な本能によるものではない。バロテッリの行為はふざけている」
「オレたちのチームにもネグロ(黒人)はいる。昨日彼はゴールを決め、みんなが拍手したじゃないか」
『Gazzetta dello Sport』が、「信じられない!」、「恥ずべき発言」と報じたこの暴言に対し、バロテッリ本人もSNSで、「もうサッカーは関係ない。お前ら小さな存在よりも大きな社会的・歴史的な状況になっている」と反論した。
「お前らは狂ってきている。目を覚ませ。お前らが悪の張本人なんだ。でも、マリオがイタリアのためにゴールを決めた時、そして保証するが今後決める時は、それで構わないんだろ?」
現地時間11月3日に行なわれたセリエA第11節、ブレッシャのマリオ・バロテッリは、ヴェローナのサポーターに向けてボールを蹴り飛ばし、人種差別の混じった野次に激怒した。またも心ない罵声を浴びせられ、心の傷をさらにえぐられたイタリア代表FWには、各方面から励ましの声が寄せられている。
だが、その翌日、ヴェローナのウルトラスの“ボス”は、地元メディアで、「バロテッリはイタリアの市民権を持つが、完全なイタリア人ではない」と述べたのだ。(イタリア紙『Gazzetta dello Sport』より)
「(差別)チャントは彼の頭の中だけで聞いたものだ。ハゲやロン毛の選手、南部や有色人種をからかうことはあるが、政治的ないし人種差別的な本能によるものではない。バロテッリの行為はふざけている」
「オレたちのチームにもネグロ(黒人)はいる。昨日彼はゴールを決め、みんなが拍手したじゃないか」
『Gazzetta dello Sport』が、「信じられない!」、「恥ずべき発言」と報じたこの暴言に対し、バロテッリ本人もSNSで、「もうサッカーは関係ない。お前ら小さな存在よりも大きな社会的・歴史的な状況になっている」と反論した。
「お前らは狂ってきている。目を覚ませ。お前らが悪の張本人なんだ。でも、マリオがイタリアのためにゴールを決めた時、そして保証するが今後決める時は、それで構わないんだろ?」
人種差別を巡る問題は複雑だ。例えば、一部の愚か者のために、クラブや街に「差別的」とのレッテルが貼られることに反論する者もいる。
3日の試合をスタジアムで観戦していたというヴェローナ市長も、「バロテッリがボールを蹴った時、みんなの反応は驚きだった」と訴えた。
「誰も訳が分からなかった。(人種差別)チャントはなかったのだから、存在しない前提条件からヴェローナの街とそのサポーターをさらし台にさらすのはあり得ない」
また、右派の元内務大臣も「人種差別は常に非難すべき」としたうえで、「だが、バロテッリ10人より(大勢の従業員が失業の危機にある)イルバ社の労働者ひとりのほうが価値ある」と口にした。
だが、バロテッリの件は国内外で大きく問題視されており、イタリア政府からもサッカー連盟や関係者に事態の改善を求める声が上がっている。
確かなのは、人種差別問題は以前からずっと続いており、2019年になっても撲滅できておらず、だがそれを目指して闘い続けなければならないということだ。
かつて、ミラン時代に人種差別の野次を受け、練習試合中に放棄しようとしたケビン=プリンス・ボアテングは、SNSでこう訴えている。
「6年前から何も変わっていない。でも、オレたちはあきらめないぞ! 全員で団結し、人種差別と闘い続けよう!」
構成●サッカーダイジェストWeb編集部