【川崎】痛恨のパスミスから念願の等々力初ゴール。大暴れのマギーニョが示した真骨頂

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2019年11月03日

果敢なオーバーラップでアピール

この日、スタジアムで行なわれたハロウィンイベントにちなんで被り物姿で勝利を喜んだマギーニョ。決勝点をマークした(C)SOCCER DIGEST

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[J130節]川崎2-1広島/11月2日/等々力

 良くも悪くも、広島との一戦で誰よりも目立ったのは、川崎の右SBマギーニョだった。

 この日の川崎は、中盤のキーマン家長昭博、左SB車屋紳太郎、CB谷口彰悟を出場停止、さらに守備のポリバレント守田英正、右SB馬渡和彰らを負傷で欠く苦しい状況。そのシチュエーションで右SBで先発したのがマギーニョだった。

 今季開幕前に加入したブラジル人助っ人は、リーグ戦ではこれが7試合目の出場。13節のアウェーでの大分戦では決勝弾を挙げたものの、その後はなかなかチャンスに恵まれなかったが、「これまでのなかで一番、攻撃に顔を出せたと思います」と、広島戦では序盤から積極的なオーバーラップを披露。

 特に光ったのはスプリント能力で、カウンターの際には自陣から一気に駆け上がり、相手エリア内でパスを要求する姿は、実に躍動感に溢れていた。
 しかし1点のリードで迎えた後半、「広島は(後半から)システムを変えてきたなかで、スライドして走らなくてはいけませんでした。その分、エネルギーを消費しましたし、また長い間、ゲームに関われなかったので、自分の身体がそういう風になってしまったのかなと感じます」と、終盤になるにつれて疲労が増し、足をつりかけた。すると82分には痛恨のパスミスを喫してしまう。

 広島のGK大迫敬介からのロングボールの処理を誤ると、中途半端に頭で後方に戻したボールをレアンドロ・ペレイラに拾われ、同点弾を許したのだ。せっかくのアピールの機会で、痛恨のパスミス。もっとも「ミスをしましたし、とにかく結果を残さなくてはいけないと思いました」と、直後には大きな仕事をこなす。

 失点から2分後の84分、左サイドで阿部浩之がクロスを上げると、相手エリア内で齋藤学がシュート。それは相手DFにブロックされるも、詰めたのがマギーニョだった。

 右サイドを一気に走り抜き、相手エリア内でこぼれ球をワントラップしてから右足を一閃。豪快なシュートをネットに突き差したのだ。

 
「等々力でゴールすることを目標にやってきましたし、なによりチームの勝利につながったのが良かったです」と笑顔を見せる男は、初挑戦となる日本での1年では影ながら努力を重ねてきた。
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