今季はプレシーズンからずっと負傷者に悩まされてきたシーズン
2週続けて負傷でセンターバックを失うアクシデントが岡山を襲った。36節・徳島戦で濱田水輝が左下腿部肉離れにより全治4~6週間の離脱となり、37節・長崎戦で田中裕介が右下腿部肉離れにより全治3~5週間の離脱。ふたりともふくらはぎの筋肉にトラブルが起き、J1参入プレーオフの争いに食らい付いている岡山に大きな試練が課せられている。(37節終了時点で岡山は勝点60で8位。プレーオフ圏内の6位水戸とは勝点1差)
もっとも、今季はプレシーズンからずっと負傷者に悩まされてきたシーズンでもある。決して褒められることではないかもしれないが、監督も選手たちも誰かが離脱することには慣れっこだ。「何かが起こっても大丈夫なような準備をしているし、選手が前向きにやってきてくれているからアクシデントが続いてもやれている」と有馬賢二監督は胸を張る。
前節の長崎戦も、前半途中にピッチを退いた田中に代わって出場した増田繁人がしっかりとチームの勝利に貢献した。1点のリードで迎えた試合終盤は、防戦一方の苦しい展開を強いられたが、190cmの増田が中心になってゴール前で弾き返していく。4か月ぶりに出場したCBは、21得点を挙げている呉屋大翔にシュートチャンスを与えず、ビクトル・イバルボのパワーにも屈せず、持ち味を存分に発揮して「今年はなかなか出場機会に恵まれなかったですけど、常に準備はしていた。それを発揮する時だと思って戦いました」と爽やかな笑みを浮かべた。
もっとも、今季はプレシーズンからずっと負傷者に悩まされてきたシーズンでもある。決して褒められることではないかもしれないが、監督も選手たちも誰かが離脱することには慣れっこだ。「何かが起こっても大丈夫なような準備をしているし、選手が前向きにやってきてくれているからアクシデントが続いてもやれている」と有馬賢二監督は胸を張る。
前節の長崎戦も、前半途中にピッチを退いた田中に代わって出場した増田繁人がしっかりとチームの勝利に貢献した。1点のリードで迎えた試合終盤は、防戦一方の苦しい展開を強いられたが、190cmの増田が中心になってゴール前で弾き返していく。4か月ぶりに出場したCBは、21得点を挙げている呉屋大翔にシュートチャンスを与えず、ビクトル・イバルボのパワーにも屈せず、持ち味を存分に発揮して「今年はなかなか出場機会に恵まれなかったですけど、常に準備はしていた。それを発揮する時だと思って戦いました」と爽やかな笑みを浮かべた。
常に準備はしていた――。そのことをしっかりと証明した増田は残り5試合もキーマンになるだろう。
「悔しくて仕方ない時期もありましたけど、凹んでしまうと何も生まれない。落ち込んでいると自分もうまくいかないしチームにもいい影響を与えられないんで、だったら前向きに楽しくやろうと思ってやってきた」
どんな状況でも前向きに物事を捉えられる魅力的なメンタリティの持ち主であり、明確な武器を持っているところも頼りがいがある。有馬監督が「本当にヘディングは強い」と評すように空中戦の強さは絶対的で、危険な場所を察知する能力にも秀でている。ゴール前のバトルが激しさを増す残り5試合は、増田のような理屈抜きの強さが必要になってくる。
「こういうピリピリとした状況の中でやれることは本当に幸せなことです」重圧によって自分のプレーができなくなるタイプでもない。プロになってからはケガが多かった身体も、試行錯誤を重ねてきた結果、やるべきトレーニングが定まってきて「万全と言っていい」という状態だ。
心身の準備を続けてきた増田に自分の力を証明する絶好のチャンスが訪れた。シーズンのクライマックス、背番号5から目が離せない。
取材・文●寺田弘幸(フリーライター)