９月29日のセリエA第６節、ミラン対フィオレンティーナの一戦は、３-１でアウェーのフィオレンティーナが勝利した。敵地での白星に大きく貢献したのが、今夏からチームに加わったベテランアタッカーのフランク・リベリだ。

　リベリは12分、ドリブル突破から鮮やかなダブルタッチでマテオ・ムサッキオとアレッシオ・ロマニョーリの間を割り、ペナルティーエリアに侵入。シュートこそジャンルイジ・ドンナルンマに阻まれたが、こぼれ球を拾ったフェデリコ・キエーザが倒されてPKを獲得し、チームは先制点を奪った。

　52分に退場したムサッキオにファウルされたのも、リベリだった。78分には、キエーザのアシストから勝利を決定づける３点目も奪取。終了間際に交代した際には、サン・シーロのミラン・サポーターから大きな拍手で見送られた。

　イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、「スタジアムで見ている人にも、テレビ観戦した人にも、レベルが違うことを示すのに、実質的に12分で十分だった」と、リベリを称賛している。

「加速しては、賢いタイミングで休息。必要不可欠。最後は傑作のゴールで締めくくった」

　フィオレンティーナのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督も、「スタンディングオベーションは予想していた。まさにそのために彼を交代させたんだ」と、リベリに賛辞を寄せた。

「５、６年前と同じということはないだろう。だが、決定的な選手であることに変わりはない。最高級の選手というのは、いつだってこういうものなんだ。年齢は関係ないんだよ。素晴らしい試合をした」

　一方、リベリ本人は、「ベテランだけど、ピッチでは若いままさ。サッカーは僕の人生であり、いつだって飢えている。若い選手たちのチームでプレーするのも素晴らしいことさ」と述べている。

「ミランのファンからの拍手？ ここでプレーするのはいつだって特別なものさ。ミランは難しい時期にあるようだけど、僕たちが素晴らしい試合をした。うれしいよ」

　開幕戦でナポリ、第３節でユベントス、第４節でアタランタと、序盤から強敵との試合が続き、４試合で白星なしだったフィオレンティーナだが、これで２連勝。順位も暫定９位まで上がった。リベリというワールドクラスがけん引するチームは、このまま飛躍できるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部