【選手権/代表校レポート】和歌山・初芝橋本|日常からの“気づき”の積み重ねが進化の礎に

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2014年12月04日

ハツハシの転機は低迷期から始まった。

初芝橋本
所在地:和歌山県橋本市小峰台2-6-1
創立:1991年 創部:1991年
主なOB:酒本憲幸(C大阪)、前田和哉(北九州)、室拓哉(大分)

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 大阪市内から電車一本で約40分。和歌山県の最北端にある橋本市はアクセスの良さから大阪のベッドタウンとして成長した街だ。駅前にマンションが並ぶ林間田園都市駅からバスで20分ほどの場所にあるのが初芝橋本高校。『ハツハシ』の愛称で知られる同校はOBである元日本代表の吉原宏太(札幌、G大阪などでプレー)、岡山一成(現奈良クラブ)がそうだったように大阪南部から通学する生徒が数多い。
 
 主将のMF渡辺淳揮も大阪組のひとり。中学時代はG大阪門真ジュニアユースでプレーしていたが、ある時ハツハシの戦いを目にし、「選手権に近い位置にいるのが魅力だったのと、自分のロングキックが活かせるチームだと思った」と入学を決意した。
 
 今年、創立23年目で選手権出場は、今大会で13回目。晴れ舞台で活躍する先輩たちに憧れ、入学してきた後輩たちがしっかりと結果を残す。そうした循環がチームの歴史を築いてきた。
 
 だが、“和歌山代表=ハツハシ”の伝統が崩れた時期があった。2006年に高円宮杯全日本ユースでベスト4に輝いた翌年から3年連続で選手権に出場できず、常連だったプリンスリーグ関西からも降格した。
 
 創部以来、初めて迎えた低迷期を救うべく10年に指揮官に就任したのが、現在の阪中義博監督。全日本ユースのベスト4当時もコーチとして携わっていた阪中監督が、久々に立ったグラウンドで感じたのは「能力は高いけど、ただプレーしているだけで、上手くなるためにどうすればいいかを考えていない」ということだった。
 
 まず、取り組んだのが挨拶や整理整頓。他校のサッカー部では“当たり前”にやっていることを徹底し、意識改革を行なった。成果はすぐに結果として表われ、4年ぶりに選手権に復帰。2回戦で敗れはしたが、選手たちは「全国に出て、ようやく分かった。自分たちの考え方は間違っていた」と認めたという。
 
「前年よりもチーム力が落ちる」という周囲の声があった就任2年目の11年は、徹底した走力トレーニングで鍛えた運動量と気持ちの強さを武器に近畿大会で優勝。インターハイでもベスト16に進出したが、選手権は初戦敗退に終わった。

立川小太郎
3年/GK
185センチの長身を生かした空中戦の強さが武器の守護神。果敢な飛び出しと反応の速さも備えており、将来性の高さはピカイチだ。

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「厳しさという糸を緩めないとアカンって気づいたのがこの年。インターハイまで選手たちを縛って、『頑張れ頑張れ』と言い続けてきたけど、縛りきれずに選手権出場が決まった後にプチンと切れてしまった。勝てなかったのは自分の責任。もっと緩めるべきだったと思う」と阪中監督は振り返る。
 
 選手との接し方に変化が生まれた年だった。そしてこの時のチームこそが、当時中学3年生だった守護神の立川小太郎が「見ていて負ける気がしないチームだった。負けていても、“取り返してやろう”というオーラが凄くて、この代を越えたいと思った」と語るように、今年の3年生たちが入部を決意するきっかけとなったチームだった。
 
 12年は県のライバル・和歌山北に選手権出場を明け渡したが、CB永見皓平、司令塔の渡辺、FW末吉塁と、今年の主軸を務める縦のラインが1年生ながら定位置を獲得。翌13年はGK立川、CB西岡伸、FW柳原慶斗がスタメンに加わり、現在のチームの礎となった。

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