[インターハイ３回戦] 徳島市立０(8PK7)０大分／７月28日／金武町フットボールセンター (ローン)
 
　３回戦突破を果たした徳島市立。しかし３試合すべてが０－０でPK戦までもつれ込み、70分間で勝ち切ることができなかった。なぜこうした結果となったのか、キャプテンのMF阿部夏己（３年）は改善すべき点に得点力不足を挙げた。
 
「決め切れない部分だったり、それで自分たちがカウンターを食らってしまったりするのがこの半年間ぐらい続いていた」
 
　攻撃の部分での問題点は河野博幸監督も修正していかなければならないと話す。
 
「確実に勝っていこうと思ったらもうちょっと自分たちが主導権を握ってボールを動かせるところは動かして、クロスで終わったり、シュートで終わったりっていう形を増やさないと。せっかく繋がったチャンスを簡単にミスで終わらせてしまうので。もっともっと前に出る回数を増やしていかないと点が取れないです」
 
　確かに３回戦で徳島市立が放ったシュート本数はわずか３本。後半にいたっては１本も打てておらず、敵陣深くまでボールは運べるものの、最後にシュートで終えることがなかなかできなかった。
 
「去年は走力のある選手がいましたが、今年は迫力がない。なので、チームが立ち上がったときから、全員で走ってまず守備からっていうのはずっと持ち続けてやってきたので、それがいまこの３試合で、しっかりピッチで表現できているんで、そこは良いことだと思います」
 
　阿部が言うように得点こそないが、失点も０。守備の安定感は評価できる点だろう。
 
「自分たちは（失点を）０で抑えれるっていう自信があったので、０で抑えられれば、どんな形であれ１点、セットプレーだったり、カウンターだったりで１点を取れたら自分たちは勝てると思っています。正直PKまでいかずに、この試合は１点を取って勝とうという話をしていたんですけど、まずは守備で自分たちがやり切れたところはよかったところだと思います」
 
　実際インターハイ予選でも４回のクリーンシートを記録しており、堅守に関しては胸を張れるレベルにある。あとは得点力を磨ければというところだが、いずれにしてもチームで目標にしていたというベスト８進出。喜びもひとしおだ。
 
「ベスト８は目標だったんで、ここまで絶対行こうと話していました。実際３つともPKでしたが、いまは素直に嬉しいです」
 
　強い相手と対戦して、成長するためにさらに上に行きたいと力強く話す阿部。チームに足りない部分も自分で分かっている。記者の質問に対して、はきはきとした口調で、しっかりと受け答えをする姿に、先頭に立ってチームを引っ張る意思の強さを感じた。
 
取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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