エースのジェイも「フクからパスが来ると常に思いながらプレーしている」と絶大な信頼
チームのパフォーマンスとしてはコンサドーレ札幌と湘南ベルマーレとの間に大きな差があったわけではない。中盤の攻防では湘南のハードなフィジカルコンタクトに札幌の選手が臆しているような時間帯もあった。だが、最終スコアは5-2と札幌の圧勝。「力負け」と湘南の曺貴裁監督は言った。
繰り返しになるが、内容的にはスコアほどの差は感じなかった。ならば、何がスコアを動かし、札幌が勝利する要因になったのか。湘南の松田天馬はこう話す。「僕らも立ち上がりは悪くなかったし、3点差がつくほど内容に差があったわけではない。でも、プレー精度の差がスコアに出てしまった」
プレー精度の差。この部分で言えば、2得点を挙げたジェイのシュート精度はもちろんだが、それ以上に「精度」を感じさせていたのが福森晃斗の左足である。まずは18分。このあたりの時間帯までは、まだ湘南が勢いよくプレーをしており、札幌としては我慢の時間帯でもあったのだが、敵陣でセカンドボールを拾った宮澤裕樹が最終ラインの福森にパスを下げると、ここで左足を一振り。相手ペナルティエリア内に走り込んでいた進藤亮佑の頭にピタリ。先制点を引き出した。
繰り返しになるが、内容的にはスコアほどの差は感じなかった。ならば、何がスコアを動かし、札幌が勝利する要因になったのか。湘南の松田天馬はこう話す。「僕らも立ち上がりは悪くなかったし、3点差がつくほど内容に差があったわけではない。でも、プレー精度の差がスコアに出てしまった」
プレー精度の差。この部分で言えば、2得点を挙げたジェイのシュート精度はもちろんだが、それ以上に「精度」を感じさせていたのが福森晃斗の左足である。まずは18分。このあたりの時間帯までは、まだ湘南が勢いよくプレーをしており、札幌としては我慢の時間帯でもあったのだが、敵陣でセカンドボールを拾った宮澤裕樹が最終ラインの福森にパスを下げると、ここで左足を一振り。相手ペナルティエリア内に走り込んでいた進藤亮佑の頭にピタリ。先制点を引き出した。
そして71分。今度は自陣からのアーリークロスを、湘南DFフレイレの頭上ギリギリを越え、GK秋元陽太も飛び出せない絶妙なスペースに送り込んでジェイの得点を呼び込んでいる。あまりにも見事なワンプレーだった。
注視すべきは、このふたつの場面は決して札幌のチャンスシーンだったわけではないということ。たとえば21分に生まれたジェイの得点は、右サイドを突破した白井康介が折り返して好機を作ってのものだが、前出の福森の2アシストは相手守備もおおよそ整っており、どこかに明確な隙があったわけではない。にも関わらず最終ラインからの1本のキックで得点を演出してしまうのだから、ある意味では相手チームになす術がない最強の武器とも言える。「どこにボールがあっても、フク(福森)からパスが来ると常に思いながらプレーしている」とはジェイ。その左足に対する信頼感は絶大だ。
洋の東西を問わず、相手守備が整った状態からそれを崩して得点をするのは困難だと思われているし、実際にそうだろう。だからこそどのチームも守備から攻撃へのトランジションを速め、相手守備が整う前に攻め切ってしまおうとする。逆にボールを奪われた側は素早く守備をセットしようとする。だが、そうしたものを超越した武器を持つのが福森なのである。相手が守備を固めていようと関係ない。最前線のFWにピンポイントでパスを届けてしまえばいいのだから。そして、そうした宝刀を持っているのが札幌だということだ。