【岩本輝雄】あの絶妙ロングパスよりも、イニエスタの凄みが伝わってくるプレーとは?

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2019年07月17日

マイボールにした瞬間、相手の動きが止まる

毎試合、ハイレベルな技巧を見せてくれるイニエスタ。ぜひスタジアムに足を運んで、生で見てほしいね。写真:徳原隆元

画像を見る

 分かってはいたことだけど、やっぱり上手いよね。
 
 古橋の先制弾も空しく、ベルマーレのホームに乗り込んだヴィッセルは1-3の手痛い逆転負けを食らった。ただ、古橋のゴールを演出したイニエスタの糸を引くようなロングパスは見事の一言で、お金を払ってでも見るべき価値のあるスーパープレーだったと思う。もっとも、僕としてはイニエスタのポジショニングの妙に改めて魅せられたよ。
 
 ベルマーレ戦でのイニエスタはダブルボランチの左でプレー。3-4-2-1の相手のシャドーもしくはボランチに狙われていたけど、簡単には捕まらないような位置を即座に見つけ出し、そこに入り込んで、パスを受けて展開する。それでいて、自分たちのCBにプレスをかけにくる相手の注意を引くような場所にいるから、湘南の選手たちの対応も多少、中途半端になっていたよね。
 
 ポジショニングに加えて、ボールをピタリと止めるトラップの技術も抜群だった。スピードのある少し強めのボールでも、ショートパスを受ける時と同じように、正確に収める。さらには、寄せてくる相手の動きをしっかりと把握していて、トラップと同時に逆をとって、かわしてみせたりもする。古橋へのアシストの直前のプレーがそれだった。
 

 視野をしっかりと確保できているからだろう。例えば、CBからの縦パスに対しては、正面では受けない。周りがよく見えるように、少し斜めにズレて受ける。その動きも実にスムーズで、左サイド寄りにいて、相手が内側から来れば、右足で受けてすかさずターン。背中や外から来ていれば、すっと中に進路を取る。
 
 その判断はボールを受けるギリギリまで待って、最善の選択をする。こうなってくると、相手も簡単には飛び込めない。イニエスタにパスが入った瞬間、あれだけ猛烈にかけられていたプレスも、一瞬止まる。相手の動きを止めることになるんだから、これは自分たちのチームにとっては大きなアドバンテージだよ。
 
 言葉だけで、そのすべてを伝えるのはなかなか難しい。派手なことはひとつもなく、非常に細かい部分なんだけど、イニエスタのそうした一つひとつのプレーは本当に効果的で、レベルの違いを感じずにはいられない。もはや、芸術と言ってもいいね。
 
 だから、Jリーグでイニエスタを見られるうちは、ぜひスタジアムに足を運んでほしいと思う。ライブで見れば、その凄みがきっと分かるはずだから。

【ヴィッセル神戸PHOTO】サポーターと一丸となって戦う「ヴィッセルセレイア」の美女たち!
【関連記事】
イニエスタとバルサの特別な関係――歴史的な”再会試合”が日本で実現!!
【加部究のフットボール見聞録】復帰戦で再確認したイニエスタの凄み
「美しいワイフだ!」「若々しい」イニエスタが結婚記念日を祝して7年前の“披露宴カット”を公開!
【岩本輝雄】大槻レッズの巻き返しの可能性は? 鍵を握るのは前線のトライアングルか
【岩本輝雄|川崎×名古屋】助っ人たちが輝いた“技術合戦”のなか、長友の後釜を見つけた!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ