トップ下で起用され、改めて存在感
先週土曜日、白波スタジアムで行なわれたJ2リーグ20節・鹿児島ユナイテッドFC戦は、湿度80パーセントを超える蒸し暑さの中での90分となった。メインスタンドから望めるはずの桜島は分厚い雲に覆われ、「アップで少し動いただけでもきつかった」(大武峻)タフなコンディション。ゲームが始まると、アルビレックス新潟は鹿児島のパスワークをなかなか寸断できず、15分に先制を許す。前節終了時点で13位の新潟と18位・鹿児島との勝点差は3ということもあり、重圧がじわりと増した。
失点直後、キックオフ前に新潟ベンチ手前までやって来て、大きな声でスタッフとコミュニケーションを取っていたのが高木善朗だった。「プレッシャーの行き方を変えたくて」というのが高木の伝えたかったことだ。
「相手は7番という背番号の選手(赤尾公)がCBに入っていることからも分かるように、ビルドアップにこだわるチーム。失点するまで少し様子を見ていたけれど、ボールを奪いに行くのではなく、無理には行かないという方向に変えられたと思います」
失点直後、キックオフ前に新潟ベンチ手前までやって来て、大きな声でスタッフとコミュニケーションを取っていたのが高木善朗だった。「プレッシャーの行き方を変えたくて」というのが高木の伝えたかったことだ。
「相手は7番という背番号の選手(赤尾公)がCBに入っていることからも分かるように、ビルドアップにこだわるチーム。失点するまで少し様子を見ていたけれど、ボールを奪いに行くのではなく、無理には行かないという方向に変えられたと思います」
前半の内にレオナルドが自ら得たPKを決め、1-1としてハーフタイムを迎えると、高木は作戦ボードを手にした吉永一明監督と活発に言葉をかわしながらロッカールームへと引き上げていった。
J1から降格し、15年ぶりにJ2を戦う昨シーズンの新潟に、高木は東京ヴェルディから加入した。パス、ドリブル、シュート、そしてセットプレーのキッカーと、優れた技術を持つ攻撃的MFが昨シーズン主に求められたのは、途中出場から流れを変える役割だった。
新潟2年目の今シーズンは、警告の累積で出場停止となった1試合を除き、開幕から20節の鹿児島戦まで19試合、先発出場を続けている。特に、トップ下に入るようになってからのここ4試合、その存在感が際立つ。
9節終了時点で片渕浩一郎監督が解任され、吉永監督が就任したチームは再建の途上だ。チームは監督交代から1勝2分の後、4連敗と苦しい時期を経験する。高木が4-2-3-1のトップ下に抜てきされたのが、連敗脱出を期した17節のFC岐阜戦である。