クラブはいかにして消えゆくのか……消滅・解散の歴史と原因

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2014年11月01日

いつの時代にも世界各地で多くのクラブがその歴史を終えている。

2004年に創設したチーバスUSA。人気の面でも成績の面でも振るわないまま、短い歴史の幕を閉じることとなった。 (C) Getty Images

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 かつてガンバ大阪に在籍した元日本代表のSB加地亮が現在プレーする、米国MLS(メジャーリーグサッカー)のチーバスUSAが10月27日、かねてからの噂通り、財政難を理由に解散を発表。メキシコの強豪クラブ、CDグアダラハラのオーナーが所有クラブの知名度をアメリカで高めるのも目的でつくった設立したクラブだったが、“支店”は店じまいを余儀なくされた。
 
 加地の今後の去就は非常に気になるところだが、所属選手はいわゆる「分配ドラフト」でMLSの他クラブに移籍することになっており、また週刊サッカーダイジェスト11月11日号でのインタビューでは、チーバスがどうなってもアメリカで勝負したいと語っていることもあり、今後もこの国で挑戦を続けていくのだろう。
 
 さて、一国のトップリーグに属するクラブが解散ということで、大きなニュースとなった今回の一件だが、実はクラブの解散や消滅というものは、毎年、世界中で起こっているものである。アメリカでいえば、96年のMLSスタート時に名を連ねていたタンパベイ・ミューティニーが2002年、98年参加のマイアミ・フュージョンが01年に、それぞれ活動を終えている。
 
 クラブが会社組織として営利団体となった現在では、通常の企業同様、経営が立ち行かなければ消滅することは何ら珍しいことではない。ビッグクラブ(=大企業)なら多額の負債を抱えても存続できるが、そうではない大部分のクラブ(=中小企業)が店をたたまざるを得ないのは、経済原理において当然のことである。
 
 過去のクラブの消滅や解散において、最も多い理由はやはり財政事情によるものだ。これにより、チーバスUSAなどのように完全に消滅するクラブもあれば、プロ資格を失ってアマチュアチームに成り下がることも(フランスで最も伝統あるクラブでありながら1990年に破産したラシン・パリもそのひとつ)。
 
 また、イタリアのフィオレンティーナやパルマのように破産宣告をした後、新組織として存続するケースもある(フィオレンティーナは倒産後に「フロレンティア・ビオラ」の名で復活し、現在のパルマはかつての「パルマAC」ではなく「パルマFC」である)。
 
 新組織として生まれ変わるケースは、スペインでも非常に多く、アリカンテ、サラマンカ、マラガ、ヘタフェ、かつて安永聡太郎が在籍したレイダ、そして今シーズンはハーフナー・マイクがプレーするコルドバなどのクラブは、いずれもそうした経緯を経て現在に至っている(そして現在も財政難に喘いでクラブが多いが……)。
 
 日本では、Jリーグ昇格を目指し、あのディエゴ・マラドーナ獲得をも画策したことで有名となった鳥栖フューチャーズが97年に破産して解散、その後、有志の力で新組織が立ち上がり、サガン鳥栖として現在はJ1で優勝争いを展開するまでになった。
 
 Jリーグのクラブシーンで最も衝撃を与えたものといえば、99年の横浜フリューゲルスと横浜マリノスの合併だろう。前者の経営難により、企業倫理に従って吸収合併が行なわれたが、これはJリーグの根幹にも関わる問題として、長く続く論争を巻き起こした。
 
 日本では他にも、Jリーグを目指して全国でクラブが立ち上がったものの、いくつかは経済的理由で活動が頓挫。ラモス瑠偉(現FC岐阜監督)を招聘したことで注目を浴びた「沖縄かりゆしFC」も、2010年に解散となっている。また、完全なプロではないものの、不況のあおりを受ける形で企業に属する実業団チームや女子サッカーチームの廃止も相次いだ。
 
 欧州でもクラブの経営スリム化は進められており、下部チームや女子チームの縮小や廃止などは積極的に行なわれているのが現状だ。ビッグクラブでもそれは同じであり、育成組織の整っているバルセロナも、かつて一部下部チームの廃止を敢行した過去がある。
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