3-0の快勝も手放しで喜べない?セレッソ大阪が抱える「理想」と「現実」のジレンマ

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2019年05月12日

横浜戦の戦い方は、意外だった

清武は横浜戦を「楽なゲーム」と振り返った。その意図は?写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

[J1リーグ11節]C大阪3-0横浜/5月11日/ヤンマースタジアム長居
 
 セレッソ大阪は5月11日の横浜F・マリノス戦で3-0の勝利を収め、前節の松本山雅FC戦に続いてリーグ2連勝を飾った。9節まで2勝2分5敗で13位とパッとしない成績で、特に7節の札幌戦からは3試合連続で無得点と低調だったものの、ここに来て調子を上げてきている。
 
 横浜戦で快勝できた理由はなんなのか。キャプテンで10番を背負う清武弘嗣は言う。
 
「走り勝ちですね、今日は。ポゼッションをするより裏に抜ける選手が活きた試合だった。今年に入ってこういう試合は初めてだったと思うので、考え方としては、簡単な、楽なゲームでした」
 
 横浜戦の戦い方は、意外だった。今季から指揮を執るロティーナ監督が落とし込もうとしているポゼッションサッカーではなく、まるでカップ戦2冠(ルヴァンカップと天皇杯)を獲った2017年シーズンのユン・ジョンファン体制のような堅守速攻型だったのだ。
 陣形全体が前掛かりで最終ラインに大きなスペースができがちな横浜に対しては、たしかに理に適っている戦術だったし、チームとして高次元に機能していたのは間違いない。ポゼッション率は28.6パーセントと多くの時間でボールを回されていたが、堅牢な守備ブロックはほとんど隙がなく、相手の背後を突くカウンターの切れ味も鋭かった。
 
 特に称賛すべきは守備面。指揮官が求める規律を守り組織的に横浜の攻撃を食い止めていった。清武が「俺と宏太のサイドハーフは中を締める。FWもボランチまで下がる。ボランチが主導権を握って押し出すとか、そういうのは今出来ている。それをさぼらずにやるのがチームの規律。そういうところで一体感は出ると思うので、この2試合はすごく良い戦いが出来ている」と手応えを語るのも頷ける。
 
 一方で攻撃面は小さくない驚きだった。常に優位な立ち位置を取る難解な戦術とはかけ離れたものだったからである。だからこそ、清武は「簡単な、楽なゲーム」と振り返ったのだろう。
 
【関連記事】
【セルジオ越後】劇的な展開が続いたCLも日本人は蚊帳の外。早く久保や安部が本物にならないと…
【J1採点&寸評】C大阪3-0横浜|C大阪が「無敗記録」を継続!水沼以外にも高評価がズラリ
【C大阪】水沼宏太が胸に秘めていた「ふたつの想い」。家族への感謝と…
番記者が選ぶ、平成のセレッソ大阪ベスト11! 森島社長に大久保嘉人、香川真司…前線は日本人のレジェンドたちに!
【美女チア】「カッコイイ」&「可愛い」岐阜のガールズパフォーマー『GGG』を一挙紹介!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ