「ネガティブはない」イニエスタの大人の受け答えに、主将としての覚悟が滲む

カテゴリ:Jリーグ

白井邦彦

2019年04月27日

「攻撃も守備も完成度が高い」と認める川崎を相手に成長を証明できるか

報道陣の合同インタビューに応えるイニエスタ。写真:白井邦彦

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 4月25日、監督交代などの影響で延期されていたアンドレス イニエスタの共同取材が、いぶきの森球技場クラブハウスで行なわれた。
 
 最初の質問はキャプテン就任について。すでに多くのメディアが報じているように「クラブ、選手、スタッフ、そしてファンのみなさんの代表ができることを誇りに思っている。1000%の気持ちで役割を担いたい」と抱負を語った。

 
 そのほか、さまざまな質問が飛び交う中、シーズン序盤での監督交代はネガティブではないかという皮肉交じりの質問も出た。それ対して、イニエスタは前向きにこうコメントした。
 
「不安とまではいかないまでも、こういった変化がある時はいろいろな意見が出てくるものだと思います。でも、新監督は前にヴィッセル神戸を率いていましたし、その後もずっとチームに関わり続けてもいます。この数か月で新監督も成長していると思いますし、チームとしては今までやり続けてきたことをさらにレベルアップさせるという方向性に変わりはない。個人的には本当にチームのレベルは上がって成長していると思うので、そういう意味ではネガティブなことはないと思っています」
 
 落ち着いた口調で答える姿からは、すでにキャプテンとしての自覚が垣間見られた。まさに“大人”の対応だった。
 
 では、彼が言う「成長している」とは何を指しているのだろうか。地元新聞記者の質問に対して、イニエスタはこう答えている。
「サッカーは1つや2つのことだけを具体的に取り出せるものではありません。チームとして全体的にレベルアップしていると思います。一人ひとりのポジショニング、その瞬間に自分が何をしないといけないのかといった判断もそうです。それをチーム全体として理解できてきたのかなと思います」
 
 サッカーではよく“同じ絵をピッチに描く”と表現される。共通理解の話だが、例えばボランチの選手が遊びのパスを入れた場合、パスの受け手はその意図を汲み取り、キープして相手を自分にひきつけたり、ワンタッチでのリターンパスでマークマンを外したり、その場の状況を判断して瞬時にプレーを選択していかないといけない。そういう共通イメージの擦り合わせができてきたとイニエスタは言いたいのかもしれない。
 
 その成長を証明する上で、4月28日の川崎フロンターレ戦は格好の舞台になるだろう。「攻撃も守備も完成度が高い」とイニエスタも実力を認めるJ1リーグ王者との対戦だからである。
 
「サッカーは結果がすべてでもある。結果を出すことでさらにチームが向上していく好循環を作っていけたらなと思います」
 キャプテンの澄んだ瞳は、目の前の一戦一戦の先に神戸の未来を見つめている。
 
取材・文●白井邦彦(フリーライター)
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