FC東京、逆転劇の真相。長谷川監督に残されていた余裕とヨンソン監督の苦悩

カテゴリ:Jリーグ

後藤勝

2019年04月06日

先制されたFC東京は超攻撃的なクァルテットで清水に襲いかかった

逆転弾を決めたディエゴ・オリヴェイラ。1得点・1アシストの活躍を見せた。(C) SOCCER DIGEST

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[J1リーグ6節]FC東京2-1清水/4月6日/味スタ
 
 試合開始前の時点で2位につけていたFC東京が、同17位の清水エスパルスを相手に旗色の悪い状況に陥る。そんな苦境を覆したのは長谷川健太監督の交代策だった。途中出場のナ・サンホ同点弾を決め、同じく途中出場のジャエルが逆転の決勝弾をアシストしたのだ。
 
 前節は試合後の記者会見でクローザー不在の現状を告白。先制したゲームの逃げ切り方が課題となったが、今節はまったく逆の状況が生まれた。先制された試合の追いつき方、勝ち越し方だ。
 
 長谷川監督はまず、高萩洋次郎に代えてナ・サンホを入れた。ボランチを一枚下げて東慶悟をボランチに配置するのは常套手段であるし、この日の東はボランチのように縁の下で支えるプレーに徹していたから、これは納得がいく。そして交代が必要になる永井謙佑──フル出場を前提とせず常に全力疾走──に代えてジャエル。結果、東よりFWに近いタイプのナ・サンホと久保建英のサイドハーフ、ジャエルとディエゴ・オリヴェイラのブラジル人2トップという超攻撃的なクァルテットが清水守備陣に襲いかかることになった。
 
 戦前から永井は清水のDF陣を指して「遅い」と評していたが、これはよーいドンのかけっこではなく、一瞬のスピードを指してのもの。その一瞬の挙動で相手を上回ったナ・サンホが電光石火の動きでニアに入りまず同点ゴールを決めると、最後はブラジル人コンビの華麗なる連続ループで決勝ゴールを決めた。
 
 昨年は永井、D・オリヴェイラに続く切り札として獲得したリンスが研究されて尻すぼみに終わったが、今シーズンは層が厚い。いや、正確に言えば層が厚くなった。ナ・サンホとジャエルは始動後に合流してきた新加入選手で、自身のコンディションを上げるにもチームにフィットするにも時間が必要だったが、ようやくここに来て戦力化が進んできたのだ。
 
 試合後の記者会見に現われた長谷川監督は、ナ・サンホに関しては「サンホは代表ウィークで合わせる時間がなかったが、彼のポテンシャルに期待した」と、やや見切り発車を窺わせるようなコメントをしていたが、ジャエルに関しては「トレーニングで合わせる時間があった」と語っている。いずれにしても、今後はふたりともさらにチームへの適応が進んでいくだろう。この戦力があれば、桜の季節が終わっても上位に居続けることができるかもしれない。
 
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