スピードにも、スタミナにも、フィジカルにも自信あり

PROFILE まえだ・だいぜん/1997年10月20日生まれ、大阪府出身。173センチ・67キロ。太子町JSC―川上FC―山梨学院高―松本―水戸―松本。写真:徳原隆元

プロ4年目の今季、自身初のJ1の舞台に。「やれる自信はあった」の言葉どおり、堂々としたプレーで松本の攻撃を牽引する。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)
その返答に、少しのためらいもなかった。
――自分よりスピードで勝る選手はいるのか? と質問すると、「いや、いないですね」と即座に応じる。速いな、と思う選手はいるという。だが、実戦になれば「勝てる」と自負する。「仮に、負けていたとしても、負けているとは言わない」と、勝気な一面も見せる。
松本山雅FCの背番号7、前田大然のストロングポイントは、敵を一瞬にして置き去りにする圧巻のスピードだ。磐田との開幕戦でのスプリント回数は、リーグトップの45回。続く大分戦では、さらにその数値を上回る53回をマークした。3節の浦和戦は途中交代だったため、28回と平凡な記録だったが、いずれのゲームでも自慢の脚力を存分に見せつけ、攻守両面で抜群の存在感を発揮していた。
「保育園とかで、かけっこをすれば、ずっと1位だったし、ずば抜けて速かった」
サッカーを始めたのは小学4年生の時。味方のGKが蹴ったボールに誰よりも早く追いついて、ゴールを決めてみせる。得意のパターンだった。その時に改めて気づいた。「俺、速いんだなって」。
50メートル走の記録は5秒7。全速力でなくても、ある程度のスピードを出せば、そう簡単には走り負けないから、その分、体力を温存できる。当然、スタミナもある。「だから、速いけどスタミナがあるよねって言われるのが不思議でしょうがない。足が速かったら、長距離も速いやろって思っているので」と、平然と言ってのける。
スピードにも、スタミナにも、絶対の自信がある。そして、「自分は身体が強いと思っているので。当たり負けしないのも持ち味」とフィジカルの強さにも。
無限のポテンシャルを秘めた21歳のアタッカーは、松本では不動のシャドーとしてその地位を確固たるものにしている。昨年はU-21代表の一員として、準優勝したアジア大会をはじめ、いくつかの国際舞台を経験し、一回りスケールアップした。
周囲からの期待や注目度はますます膨れ上がっているが、前田自身は「自分より下の年代で、久保建英(FC東京)や安部裕葵(鹿島)とか、もっと注目されている選手がいる。意識はしていないけど、負けてられない、っていうのはある」と慢心はない。
その一方で、「注目されているなかで、結果を残さないといけない。自分ももっと注目されたいので」という野心はある。
目標のひとつに掲げる来年の東京五輪出場のためにも、今季は重要なシーズンになる。「まずはやっぱり、試合に出続けること。今年一年、試合に出て、代表に呼ばれ続ける選手が、オリンピックに行けると思う。なので、チームで結果を残したい」。
今季はまだ公式戦でゴールがない。Jリーグは次節のアウェー広島戦でいったん中断する。U-23アジア選手権予選(3月22日~26日@ミャンマー)に挑むU-22代表メンバーにも名を連ねた。ここまでの好調ぶりを裏付けるためにも、また次のターンに向けて弾みをつける意味でも、広島戦で豪快な“一発”を期待したい。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
【ルヴァン杯PHOTO】松本 2-1 清水|終了間際の高崎のゴールで松本が劇的勝利を挙げる
――自分よりスピードで勝る選手はいるのか? と質問すると、「いや、いないですね」と即座に応じる。速いな、と思う選手はいるという。だが、実戦になれば「勝てる」と自負する。「仮に、負けていたとしても、負けているとは言わない」と、勝気な一面も見せる。
松本山雅FCの背番号7、前田大然のストロングポイントは、敵を一瞬にして置き去りにする圧巻のスピードだ。磐田との開幕戦でのスプリント回数は、リーグトップの45回。続く大分戦では、さらにその数値を上回る53回をマークした。3節の浦和戦は途中交代だったため、28回と平凡な記録だったが、いずれのゲームでも自慢の脚力を存分に見せつけ、攻守両面で抜群の存在感を発揮していた。
「保育園とかで、かけっこをすれば、ずっと1位だったし、ずば抜けて速かった」
サッカーを始めたのは小学4年生の時。味方のGKが蹴ったボールに誰よりも早く追いついて、ゴールを決めてみせる。得意のパターンだった。その時に改めて気づいた。「俺、速いんだなって」。
50メートル走の記録は5秒7。全速力でなくても、ある程度のスピードを出せば、そう簡単には走り負けないから、その分、体力を温存できる。当然、スタミナもある。「だから、速いけどスタミナがあるよねって言われるのが不思議でしょうがない。足が速かったら、長距離も速いやろって思っているので」と、平然と言ってのける。
スピードにも、スタミナにも、絶対の自信がある。そして、「自分は身体が強いと思っているので。当たり負けしないのも持ち味」とフィジカルの強さにも。
無限のポテンシャルを秘めた21歳のアタッカーは、松本では不動のシャドーとしてその地位を確固たるものにしている。昨年はU-21代表の一員として、準優勝したアジア大会をはじめ、いくつかの国際舞台を経験し、一回りスケールアップした。
周囲からの期待や注目度はますます膨れ上がっているが、前田自身は「自分より下の年代で、久保建英(FC東京)や安部裕葵(鹿島)とか、もっと注目されている選手がいる。意識はしていないけど、負けてられない、っていうのはある」と慢心はない。
その一方で、「注目されているなかで、結果を残さないといけない。自分ももっと注目されたいので」という野心はある。
目標のひとつに掲げる来年の東京五輪出場のためにも、今季は重要なシーズンになる。「まずはやっぱり、試合に出続けること。今年一年、試合に出て、代表に呼ばれ続ける選手が、オリンピックに行けると思う。なので、チームで結果を残したい」。
今季はまだ公式戦でゴールがない。Jリーグは次節のアウェー広島戦でいったん中断する。U-23アジア選手権予選(3月22日~26日@ミャンマー)に挑むU-22代表メンバーにも名を連ねた。ここまでの好調ぶりを裏付けるためにも、また次のターンに向けて弾みをつける意味でも、広島戦で豪快な“一発”を期待したい。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
【ルヴァン杯PHOTO】松本 2-1 清水|終了間際の高崎のゴールで松本が劇的勝利を挙げる