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イラン戦の先制点は象徴的…英国人コーチが高円宮杯U-18選抜に説いた「メンタルの重要性」とは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

2019年01月31日

主眼は「考える力」、「判断力」、「精神力」など。

マーティン・コーチによるトレーニングセッション。(C)NIKE

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 ナイキジャパンが支援する日本サッカーの未来を作るためのタレントの発掘・育成をする「JFA Youth & Development Programme」の一環で、「NIKE NEXT HERO プロジェクト イングランド遠征」が、1月28日からFA(イングランド・サッカー協会)が保有する最新鋭のトレーニング施設・セントジョージズパークで行われている。
 
 遠征メンバーには、高円宮杯U-18サッカープレミアリーグ2018で対戦相手の印象に残った選手と推薦選手が参加。1月31日の午前中は、イングランド・ユース代表のスカウトも担当しているFAのマーティン・ハリソン氏(アフィリエイト トゥーター/メンター/コミュニティーコーチ)の指導によるトレーニングセッションが開かれた。
 
 マーティン・コーチが主眼を置いたのは、「考える力」や「判断力」、「精神力」などメンタルの重要性だ。例えばトレーニング冒頭でも、イングランドの世代別代表チームの映像を見せ、選手とコーチ陣にそれぞれ気付いた点をリストアップさせていた。
 
 その後、ボールを使った鬼ごっこ、パスゲーム、9対9のトランジションゲーム、9対9などのメニューを消化。9対9ではプロ選手の顔写真と主要テクニックが書かれたチャレンジカードが配られ、これを渡された選手はそのタスクを最優先にプレーするという、FA独自の練習方法も試された。
 
 このチャレンジカードは両チームの監督に配られており、マーティン・コーチは「自分の選手カードと、監督のカードは合致しない場合がほとんどです。両方のタスクを行なうために、どうすればいいかを自分で考えてほしかった。プロのトッププレーヤーは両立できるものです」とその意図を語っている。
 
 さらにマーティン・コーチは、「トップレベルで通用する選手になるには、テクニックやフィジカルはもちろん、メンタリティー的に優れていけなければいけない」と語る。練習中もあえて一方に不利な判定する場面があったのは、実際の試合でも似たようなシーンが多いから。そんな場面でも判定への抗議に出たり、周囲への不満を漏らしたりするのではなく、すぐに切り替えてプレーに専念することが大事だと説いていたのだ。
 
 例えば、アジアカップ準決勝の日本代表でも、イランの選手たちが南野拓実のシミュレーションをアピールしている中、プレーを止めなかった南野がボールを追いかけ、そのクロスから大迫勇也の先制点が生まれていた。マーティン・コーチの指導は実に理に適っていると言えるだろう。
 
 ちなみに、マーティン・コーチに遠征メンバーの印象を聞くと、次のように語ってくれた。
 
「イングランドの同年代と比べて、テクニックは大差がないと思います。ただ、考える力はやや劣るかもしれません。トレーニングが進むにつれて良くはなったと思いますが。それと、やはり発言や主張が少ないですね。こっちが問いかけても、なかなか返事が返ってこない。言葉や文化の違い、疲労などもあるのでしょうが、こっちの子供たちは男女ともにもっと主張が強いですね」
 
 イングランドは約10年前から育成改革に乗り出し、2017年にはU-17とU-20の両ワールドカップを制覇するなど今や世界有数の育成力を誇っている。そんなトップレベルのメソッドによるトレーニングは、まだまだ伸びしろを残す遠征メンバーたちにとって、今後の大きな糧となるに違いない。
 
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
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