【柏】名将ネルシーニョの復帰で高まる期待! 一方でクラブの方向性には疑問点も…

カテゴリ:Jリーグ

鈴木潤

2019年01月02日

競争意識が欠如していたチームにうってつけの人材が戻ってくる

第1次政権時には、J2リーグ、J1リーグ、天皇杯、ナビスコカップを制覇。ACLでもベスト4に食い込む実績を残したネルシーニョ監督が戻ってくる。写真:徳原隆元

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 12月13日、ネルシーニョ氏の柏レイソル監督就任が発表された。かつてJ1初優勝をもたらした名将を再び招聘し、柏は1年でのJ1
復帰を目指す。

 柏の降格の原因には、競争原理の欠如、準備不足、ピッチ上の甘さなど、いくつかの原因が挙げられる。ここ数年、大谷秀和や栗澤僚一らベテランは日頃から「練習から厳しさが足りない」と指摘。熟練の選手たちからは、練習は単に“こなすだけ”に映っていたようで、試合と同等の強度で取り組めているとは言い難かった。

 サブの選手が良いプレーをしてもスタメンに抜擢されることはほとんどなく、紅白戦でスタメン組がサブ組に敗れても、週末の試合ではメンバーの入れ替えは行なわれない。それによってスタメン組には「ポジションは確約されている」と気の緩みが生じ、サブの選手は「アピールしてもチャンスはもらえない」とモチベーションが低下する。そこにチーム内を活性化させる健全な競争意識はなかった。

 ネルシーニョ監督の第1次政権時、選手たちは「試合で良いプレーをしても、次の週の練習で気の抜いたプレーや悪いプレーをすれば、すぐに替えられてしまう」と、常に危機感と緊張感を持ちながら練習に取り組んでいた。選手同士がしのぎを削り、熾烈な競争の中からチーム力は飛躍的に向上していった。

 逆に言えば、サブやメンバー外になったとしても、練習でアピールし、良いプレーをして監督の目を引けば、試合ではチャンスをもらえる。そうやって千載一遇のチャンスを掴み取り、大ブレイクした代表的な例が酒井宏樹である。

 また、“ネルシーニョマジック”と呼ばれた神懸かり的な采配についても、要は選手の調子の良し悪しを把握しているからこそ、「調子の良い選手を起用しているのだから、彼らが活躍するのは当たり前のこと。決してマジックなどではない」と、数年前のやり取りで指揮官は笑い飛ばしていたことがある。

「すべての試合に勝つことは不可能だが、勝つための準備は怠ってはいけない」
 
 これは、ネルシーニョ監督が以前に柏を率いていたときに口にしていた代表的な言葉である。もちろんネルシーニョ監督が就任したからといって、2010年のようにJ2を独走できる保証はない。むしろ、激戦と化した現在のJ2の厳しさに苦しめられる可能性も十分考えられる。ただ、少なくともチームの低迷を招いた競争意識の欠如、甘さや緩み、準備不足の面では、間違いなく改善が見込めるだろう。
 
 同じく5年ぶりに復帰が決まった井原正巳ヘッドコーチは、1次政権時にもネルシーニョ監督の右腕として辣腕を発揮した。さらに今季限りの現役引退表明から、来季のコーチ就任が決まった栗澤は、まさしく“ネルシーニョ・チルドレン”の一人。入閣したコーチ陣が、ネルシーニョ監督の方向性や考え方を熟知していることは、チーム作りを進めるうえでは明らかなプラス材料である。
 

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