悲願というより、“絶対”だった。

　12月16日、２種年代最高峰の戦い、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ。来季の昇格を決めるプレーオフ（昨季までの参入戦）の２回戦が行なわれた。

　勝利を掴めば１年でのプレミアリーグ復帰となる大津は、強豪揃いのプリンスリーグ関東で17節まで無敗（最終節は前橋育英に初黒星）だった矢板中央と対戦。攻守ががっちりと噛み合ったサッカーを展開し、３-１の勝利を掴み獲った。

「今まで野田裕喜さん、一美和成さん（ともにG大阪）たちがプレミアに上げてくれて、そこから１年は頑張って残留をしたのに、そういう先輩たちの想いを僕たちが簡単に降格という形で（昨年の戦いで）フイにしてしまい、本当に悔しかった」

　U-18日本代表でチームの10番を背負う水野雄太（３年）がこう語ったように、昨年はプレミアリーグWESTで最下位となり、プリンスリーグ九州に降格。そのときのチームは水野ら２年生主体で戦っていたため、そう思うのは無理もない。
 
「自分たちで落としたようなもの」（水野）という状況で迎えた今年。チームは３つの絶対的な目標を掲げていた。

「ひとつは県内３冠。そしてプレミアリーグ昇格と全国制覇。県内３冠は達成したので、残すはふたつ」（水野）。

　だからこそ、この参入戦は並々ならぬモチベーションで臨んだ。１回戦で静岡学園を３−１で下して迎えた矢板中央戦では、立ち上がりから最前線の大﨑舜（３年）を起点に水野、奥原零偉（３年）、大竹悠聖（３年）の３シャドーが果敢に仕掛ける。チャンスを作り出すと、43分に湘南入団内定のＣＢ福島隼斗（３年）の縦パスに抜け出した奥原の折り返しを、大竹が決めて先手を取った。
 
　後半も54分に松原亘紀（３年）からパスを受けた水野が、裏へ抜け出した大﨑へスルーパス。これをダイレクトで蹴り込んで、リードを２点に広げた。
 
　ハーフタイム後は後半の頭から投入されたドリブラー・板橋幸大（３年）に手を焼き、56分には前半の途中からピッチに立った飯島翼（３年）に１点を返されてしまう。さらに矢板中央は57分に190センチのFW望月謙（３年）を投入。望月と181センチのFW大塚尋斗（３年）を前線に並べ、より前に圧力をかけて来た。
 
　だが、Ｕ－18日本代表の吉村仁志（３年）と福島の全国トップレベルのCBコンビが跳ね返し続けると、89分にカウンターから大﨑がトドメのヘッドを叩き込んで勝負あり。ふたつ目の目標を達成した。