アンドレス・イニエスタ、フェルナンド・トーレスに続き、Jリーグにスペイン屈指の名手が参戦する。

　12月１日、元スペイン代表FWのダビド・ビジャが、J１のヴィッセル神戸へ移籍することが正式に発表された。ノエビアスタジアム神戸内の記者会見室で、三木谷浩史会長とともにビジャ本人が登壇し、新加入会見に臨んでいる。

　ビジャは2010～2013年にバルセロナでプレーし、神戸に今夏加入したアンドレス・イニエスタとともにラ・リーガ、チャンピオンズ・リーグ（CL）などのタイトルを獲得する原動力になった。また、スペイン代表として出場した国際試合では、歴代最多59得点を挙げた。スペインが制した2008年のEURO、2010年の南アフリカ・ワールドカップでは得点王に輝き、母国優勝の原動力となった。

　卓越した足もとのテクニックと得点感覚、精度の高いシュートは36歳になった今も健在だ。今月いっぱいで退団するメジャーリーグ・サッカー（MLS）のニューヨーク・シティFCでは今季、プレーオフを含めリーグ戦26試合に出場して15ゴール・５アシストという成績を残した。

　J１最終節の仙台戦後に行なわれた記者会見にスーツ姿で現れたビジャは、メディアの前で契約書にサインした後、次のようにコメントした。

「今日は私の入団会見のためにこの場に集まっていただき、ありがとうございます。三木谷会長、ヴィッセル神戸のスタッフに感謝を申し上げます。

　これまでのキャリア同様、最大限を尽くし、クラブを高みに導くために頑張りたいと思います。来シーズン、いいかたちでシーズンに入っていきたいです。

　改めて、ヴィッセルの皆さんに感謝の言葉を述べるとともに、今日あたたかく迎え入れてくれた神戸のサポーターの皆さんに感謝します。一刻も早くスパイクを履いて、この温かい歓迎にお返しができたらと思います」

　同席した三木谷会長が「天性の点取り屋」と絶賛するビジャ。12月３日に37歳の誕生日を控えているということで、会見の後半にサプライズで誕生日ケーキが登場すると、思わず頬を緩め、ケーキと一緒に記念撮影に応じるなど気さくな一面もみせた。

　来シーズンは、クラブ・代表と共にプレーし、お互いのことを熟知したイニエスタと再びコンビを組むことになる。往年のスペイン最強コンビに元ドイツ代表のポドルスキを加えた“世界王者”のトライアングル、夢の競演が神戸でさらなる旋風を巻き起こしそうだ。