• トップ
  • ニュース一覧
  • 暴動の主犯は何者か? 開催は超異例の欧州か中東? 再延期で混乱する南米王者決定戦。その現状は――

暴動の主犯は何者か? 開催は超異例の欧州か中東? 再延期で混乱する南米王者決定戦。その現状は――

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年11月27日

お粗末だった南米サッカー連盟の決定。

ボカのバス襲撃から様々な問題が起き、今回の一戦は、南米サッカー界の汚点となってしまった。 (C) Getty Images

画像を見る

「歴史的な一戦」となるはずだったボカ・ジュニオルスとリーベル・プレートによる今年のコパ・リベルタドーレス決勝は、周囲の期待を裏切る形で「恥ずべき一戦」となってしまっている。

 問題が起こったのは11月24日、リーベルの本拠地エスタディオ・モヌメンタルでの第2レグのキックオフ直前のことだった。会場入りするボカのチームバスをホームサポーターの一団が襲撃。中に乗り込んでいた選手が割れたガラスで負傷し、さらに複数人が撒かれた唐辛子スプレーを吸い込んで吐き気や目眩を訴えたため、試合は25日に順延となった。

 気になるのは、一体誰が、何のためにこの蛮行を働いたのか? という点だが、全国紙『Ole』などアルゼンチンの複数メディアの情報をまとめると、リーベルの「バーラ・ブラバ(熱狂的かつ暴力的なサポーター集団)」のリーダーが、試合前日に警察に家宅捜索をされ、300枚のチケットと日本円で現金3000万円を押収された腹いせで犯行に及んだとされている。また、一部のメディアでは、リーベル・サポーターに扮したボカのバーラ・ブラバが愚行を働いたとも指摘されている(が、この情報は信憑性に欠けている点が多い)。

 しかし、この世紀の対戦を恥ずべきものとさせたのは、それだけではない。南米サッカー連盟(CONMEBOL)と両クラブ間でのあらゆる決断が常に後手を踏んでいる点も、お粗末極まりないものだ。

 いま最も批判を受けているのは、強硬的に試合開催を推し進めようとしたCONMEBOLだ。

 24日の襲撃があった直後、日程や放映権料を重要視した彼らは、「ボカの選手の怪我は表面的なもので、プレーに影響はない」と公式声明を出し、キックオフ時間を遅らせての開催を実現させようとしたのである。

 この時、唐辛子スプレーの影響で嘔吐するなど、万全の状態ではなかったというボカのベテランFWカルロス・テベスは、CONMEBOLからの指示について次のように告白している。

「俺たちはプレー出来る状態にない。それなのにプレーすることを強要された」

 結局24日は、「万全の状態での決勝を」という意見で合致したボカとリーベルが紳士協定を結び、翌日への延期が決まったのだが、騒動は25日も続いた。

 同日、リーベルとCONMEBOLは試合を開催することで合意していたものの、いまだ複数の選手の怪我が癒えないボカ側は「競技面で不利」を正式に主張。これを受けてCONMEBOL側も現地27日に両クラブの会長と試合開催に向けた話し合いを再び行なうことを決定し、再延期が決まった。だが、ここでボカの主張が物議を醸す。

 ボカのダニエル・アンジェリッシ会長は、「個人的には、勝敗はピッチの上で決まるものだと思うが、私にはクラブの会長としての責任がある」として、没収試合などの罰則を規定した連盟規則の第18条に言及。リーベルへの制裁を科すように求めたのだ。

 この背景には、ボカが3年前に同大会の準々決勝でリーベルと激突した際、ハーフタイムにファンが相手選手へ唐辛子スプレーを浴びせたことで失格となっていた(勝ち上がったリーベルがそのまま優勝)件がある。

 今大会でリーベルはすでに選手登録の違反、そして監督が出場停止処分を無視して無線で指示を送るなど、今回の騒動を含めて計3つの規約違反を犯しているため、ボカ側の主張が妥当だという見方は強い。

 しかし、これにリーベル側は当然、反発。ロドルフォ・ドノフリオ会長は、地元ラジオ局『Radio Mitre』で「我々は書類にサインして握手もした。だが、その後、彼(アンジェリッシ会長)がCONMEBOLに申し立てをし、自分たちが優勝チームになるよう要求しているのを知った」と紳士協定が破られたことに激怒した。

「彼らが約束を守らなかったというのは信じがたいことだ。ボカが勝利扱いになることはない。もしもそうなったら本当に恥ずべきことであり、最悪の裏切りの一つになる」
【関連記事】
リベルタ杯決勝を前にボカのチームバスが敵サポに襲撃され選手が負傷…現地メディアは「恥ずべき事態」と嘆き
「もはやテロリストだ…」「この国は病んでいる」少女のお腹に発煙筒を巻くリーベル・サポの衝撃映像が物議を醸す
【神戸】小柳ルミ子、号泣!憧れのイニエスタを目の前に「どうしよう、信じられない」
ショックで早々に帰る子供も… Jリーグ史上稀に見るあまりに不思議で残念な一戦の顛末
「彼は魔法を使える」敗北のフェイエ戦、堂安律のプレーが敵地ファンの間でも話題に!!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ