「僕の人生に大きな影響を与えてくれた」と感謝を口にしたシュマイケルは涙…。

試合後は選手、そしてスタッフ全員で、声援を送ってくれたサポーターに感謝を伝えたレスターの面々。試合直後はそのままロッカールームへ戻るのが通例であるプレミアでは珍しい光景だった。 (C) Getty Images

チーム全員でヴィチャイ会長の死を追悼したレスター。その強い想いが結果に結びついたのかもしれない。 (C) Getty Images
辛く厳しい1週間を乗り越え、レスターは亡き恩人に勝利を捧げた。
現地時間11月3日に行なわれたプレミアリーグ第11節で、敵地に乗り込んだレスターは1-0でカーディフを下した。
この試合がレスターにとって特別だったことは言うまでもない。10月27日のウェストハム戦後(プレミア10節)にオーナーのヴィチャイ・スリバッダナプラバ氏を含めた5名を乗せたヘリコプターが墜落事故を起こし、クラブを長く支えてきた、いわば恩人を失ったのだ。
あまりに突然の訃報に、選手たちは大きなショックを受けていた。10月31日に開催予定だったリーグカップ4回戦のサウサンプトン戦は急遽延期となり、このカーディフ戦も開催を先延ばしにすることが話し合われていた。
しかし、「選手全員、スタッフ全員が、試合を必要としていた(ジェイミー・ヴァーディー談)」というチームは、カーディフに乗り込んだ。
現地時間11月3日に行なわれたプレミアリーグ第11節で、敵地に乗り込んだレスターは1-0でカーディフを下した。
この試合がレスターにとって特別だったことは言うまでもない。10月27日のウェストハム戦後(プレミア10節)にオーナーのヴィチャイ・スリバッダナプラバ氏を含めた5名を乗せたヘリコプターが墜落事故を起こし、クラブを長く支えてきた、いわば恩人を失ったのだ。
あまりに突然の訃報に、選手たちは大きなショックを受けていた。10月31日に開催予定だったリーグカップ4回戦のサウサンプトン戦は急遽延期となり、このカーディフ戦も開催を先延ばしにすることが話し合われていた。
しかし、「選手全員、スタッフ全員が、試合を必要としていた(ジェイミー・ヴァーディー談)」というチームは、カーディフに乗り込んだ。
その精神状態を思えば、決して簡単な試合ではなかっただろう。しかし、キックオフ前に選手はもちろん、クロード・ピュエル監督、そしてチームスタッフの全員がピッチに出て、円陣を組み、勝利を誓ったレスターは、カーディフの堅い守備に苦しみながらも、55分にデマライ・グレイが決勝点をマーク。亡きオーナーに勝利を届けたのである。
試合後、英衛星放送『Sky Sports』のフラッシュインタビューで、うっすらと涙を浮かべながら「“家族”を誇りに思う」と語ったのは守護神のキャスパー・シュマイケルだ。31歳のデンマーク代表GKは、事故当時、現場に居合わせ、ヴィチャイ氏を救おうともした一人だ。次のように話した。
「全ての人にとって本当に厳しい1週間だった。だが、クラブの誰もが手を取り合って、自分自身を保ったのは、ヴィチャイ会長が“家族”を残してくれたからだ。今日も本当に色々なことがあって、本当にタフだったけど、僕はみんながやってくれたことを本当に誇りに思う。今日はエモーショナルな日になる。とにかく彼の為に勝点3を挙げられたことが嬉しい」
感情的になりながらも勝利を喜んだシュマイケルは、さらに続けている。
「人生において影響を与えてもらえる瞬間はほんのわずかなことだと学んだ。彼は僕の人生に本当に大きな影響を与えてくれた。そして、それは色々な人にも同じように影響を与えていたことは、様々な反応を見て知ったよ。彼は僕らが知っている中でも、とても誇りに思える人だった……。そして、今、僕らは彼の家族について考えている。
僕らは全員が心を痛めているけど、彼の家族がどれだけ悲しんでいるかは想像できない。だからこそ僕らは全員でタイに行って、会長と彼の家族の近くにいることにしたんだ」
シュマイケルが語った通り、この試合後、タイで行なわれるヴィチャイ氏の葬儀に参列するため、レスターの面々はバンコクへ向かうという。
恩人であるオーナーの死を乗り越えて、まさしく魂の一勝を挙げたレスター。亡き名物会長の意志を継ぐ彼らは、このまま勝利を積み上げていけるだろうか。