酒井は攻守で奮闘するも失点は防げず…
マルセイユは10月25日(現地時間)、ラツィオをホームに迎えてヨーロッパリーグ(EL)グループステージ第3節を戦ったが、1-3で撃沈された。
この試合の後、ディミトリ・パイエとアディル・ラミとのあいだで口論が勃発。ルイス・グスタボと酒井宏樹が止めに入ったものの、2人は1分半にわたって怒鳴り合い、そこから様々な憶測が広がっている。
この試合の後、ディミトリ・パイエとアディル・ラミとのあいだで口論が勃発。ルイス・グスタボと酒井宏樹が止めに入ったものの、2人は1分半にわたって怒鳴り合い、そこから様々な憶測が広がっている。
このため、試合直後の討論番組も「パイエvsラミ」のテーマで盛り上がり、「単なるエピソード的なぶつかり合いか、それとももっと深い原因があるか」をめぐって議論に。元フランス代表監督のレイモン・ドメネクは、「テレビカメラの前でこれほど大っぴらに口論するからには、何か深い原因があるはずだ」と強調した。
そうこうするうち、当のラミがミックスゾーンに登場し、パイエとの諍いについて聞かれると、「電車に乗る時にクソみたいなものを買って、トイレで読むようなヤツだよ」と一蹴した。これは、くだらないゴシップ雑誌しか取り上げないような話、という意味だ。
やがて、パイエもミックスゾーンでマイクの前に立ち、「最後のプレーについて同意できなかったので、説明し合うことになっただけ。ご存じのように、試合直後、それも敗北直後のピリピリしたなかだったから。でも、その後も話し合ったから、心配しないで」と釈明した。
とはいえ、「選手本人は『何でもない』と言うしかないさ」「経験あるフランス代表選手2人の喧嘩である以上、ロッカールームに何かが起きている」「あるいはDFとアタッカーのあいだによくある対立か……」と、誰も納得し切れなかった。
26日午前1時の時点ではまだ、真相は不明だが、「チーム魂」を感じさせた昨シーズンとは打って変わり、今シーズンのマルセイユがどうもギクシャクしているのは確か。番組の視聴者からは、「ワールドチャンピオンになったラミと、なれなかったパイエのあいだのいがみ合いじゃないの?」という意地悪メッセージも寄せられた。
いずれにせよ、ラツィオ戦でのマルセイユは、パイエの見事なFKでのゴールを除けば、ほとんど良いところがなかった。
酒井は守備面でチームの危機を救い、攻撃面でも好パスで何度かラインを崩した。失点の原因にはならなかった彼だが、とはいえ失点を防ぐこともできなかった。
これでマルセイユのELグループステージ突破は、数学的にはまだ可能ではあるものの、現実的にはかなり複雑になってきた。
そして3日後(28日)には、リーグアンでパリ・サンジェルマン戦という最大のヤマ場を迎える。「ラツィオにやられたばかりのマルセイユは、パリ相手に大量失点し、最悪の敗北を喫するのでは……」との声も上がり始めている。また、「そうとは言い切れない。昨シーズンは堂々渡り合った」との主張もある。
マルセイユも酒井も、この絶体絶命の危機に向き合うしかなさそうだ。
文:結城 麻里