今季の東京Vで異才を放つふたりのヤングガン、渡辺皓太と藤本寛也。ともにクラブのアカデミー育ちで、ピッチ上でも息の合ったコンビネーションを披露し、チームの勝利に貢献している。
 
「他の選手とはできないというか、ふたりだけの距離感でパスを出し合える。自分たちが良い距離を保てていれば崩せる自信はあります」と渡辺が言えば、藤本も「ふたりともポジショニングを意識しながら、出して、受けて、をやっているだけ。簡単に言えば、やっぱり感覚なのかなと思います」と“阿吽の呼吸”の秘密を明かす。
 
　そんなふたりは、ピッチを離れても“絶妙の絡み”を見せる。彼らの仲の良さが垣間見えるマル秘エピソードとは!?
 
――藤本選手が仕掛ける数々の“ドッキリ”に、渡辺選手はかなり驚かされているとか？
渡辺　いや、そうでもないですよ。
藤本　いやいや、驚いています。証拠の動画もあります。
渡辺　さっきもひとりで風呂に入っていたんですけど、なんか寛也が「うわ！」とかやってきて。でも、全然ビビらなかった。ビビッてなかったでしょ？
藤本　ちょっと、ビクッとなっていたけどね。でも皓太君は本当にビビりだから。
渡辺 （ 苦笑）。
藤本　些細なドッキリでも、僕の仕掛けにはたいがい驚く。だからクラブハウスにいる時は、皓太君を驚かすことしか考えていない。
渡辺　ビックリするとしても、（小さな声で）「わ」ぐらいでしょ？
藤本　全然！　とにかくリアクションがデカい。ビックリした時、癖で手が上がる。それがもう最高に面白い。
 
――先輩だし、あえて驚いてあげている？
渡辺　そういう考えもありますね。そう思わせたら、俺の勝ちですね。
藤本　めちゃくちゃ強がりだから（笑）。でもたいがい驚いている。そのへんの角に隠れて、後ろから来た皓太君を驚かせたら、しりもちをついたことがあった。嘘みたいだけど、腰を抜かして本当に転んだ（笑）。
 
――渡辺選手も、ピッチ上で見せる“危機察知能力”を働かせないと。
渡辺　たしかに、経験は詰めているので（笑）。だから今日の風呂の時も、しっかり準備できていました。絶対に来ると思っていた。そうしたら、ビックリしなかった。