連勝が止まった風間グランパスに訪れる試練――"ごまかせていた”部分は修正されるのか

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2018年09月17日

連動したプレスとジョー封じ…長崎の守備は戦略的に巧みだった

タイトマークを受けながら2ゴールを決めたジョー。さすがの存在感を見せた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J1リーグ26節]名古屋3-4長崎/9月15日/パロ瑞穂
 
 勝って兜の緒を締めよ、の格言をこれほど噛み締められる敗戦もなかったのではないか。19年ぶりのリーグ8連勝を狙う絶好調の名古屋が、5連敗中の最下位・長崎をホームで迎え撃つ試合に、6-1で勝った前節の磐田戦以上の大勝を期待した者は少なくないはずだ。チケットは完売し、断続的に雨が降り注ぐ天候でも18477人の観客が集まったことでもそれは証明され、パロマ瑞穂スタジアムの熱気と雰囲気は抜群のものがあった。だが、7連勝はチームに自信と実力を与えるだけでなく、慢心や気の緩みも同時にもたらしていたようだ。
 
 長崎は戦略的に巧みだった。前回対戦、あるいは昨季の対戦を通じて名古屋対策は心得ており、そこに昨今の好調の要因を加味して勝算を練ってきた。肝はボールホルダーに対するチームとしての連動したプレッシングと、攻撃の経由地あるいは終着点としてのジョーを封じること。つまりは要点を絞った守備である。
 
 闇雲なハイプレスを仕掛けるわけではなく、全員が揃って行けるタイミングを図ったプレスは名古屋のボール回しから推進力を奪い、ジョーに対しては常に複数人が見張ることで自由を奪った。ならばと丸山祐市やエドゥアルド・ネットがフィードを狙うも、お見通しとばかりにDFたちが先回りして対応する。グループとしての統率力は相変わらず抜群で、体力面でも決して走り負けないタフさが長崎にはあった。
 
 しかし、それが名古屋の直接の敗因かと言えばそうではない。問題はそうした状況を受けた名古屋の選手たちが、意固地にでもなったかのように正面突破を試み続けたことだった。確かに7連勝の間でもジョーへのハードマークやプレッシングは経験してきたが、この日ほど抑えられたことはなく、突破できるという自信もあったのだろう。
 
 長崎は守りの際には3-6-1を5-4-1の形に変えて分厚いブロックを築いてきたが、丸山やエドゥアルド・ネットがそのわずかな隙をパスで抜ける名手だったことも裏目に出た。金井貢史は「ペナルティエリアに入る前に決定的なラストパスになってしまっていた」と攻撃を急ぎすぎた側面があったことを反省する。待ち構える長崎も決して楽な戦いではなかっただろうが、それでも集中力は高めやすかったはずだ。
 
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