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【小宮良之の日本サッカー兵法書】 サッカーの本質や神髄が凝縮されている、“空間”をめぐる攻防

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年09月08日

スペースを守るか、奪うか、のせめぎ合い

メッシはドリブルでマークをはがし、相手を引きつけてスペースを創出する。それを味方に提供するだけでなく、自ら利用してフィニッシュまで持ち込むこともできる。 (C) Getty Images

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「スペース」
 
 それはサッカーというスポーツで、最も大事な言葉のひとつと言えるだろう。
 
 空間において、スピードで勝ることができるか――。
 
 そのタイミングで上回る選手が、一流の域に入ることができる。ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタが偉大なのは、まさにそのタイミングを知り尽くしているからだ。
 
 スペースそのものは、どの選手にも等しく与えられているわけだが、実際には、スペースを使える選手とそうでない選手がいる。
 
 基本的に、スペースは占拠されているものだ。システムが4-2-3-1だろうが、3-4-2-1だろうが、とにかくスペースが占拠されてからスタートする。そこから選手を動かし、ボールを動かすことで、スペースを創出する。
 
 スペースを守るか、奪うか、そのせめぎ合いなのである。
 
 例えば、プレッシングのひとつであるゾーンプレスは、各ゾーンに入った選手とボールに蓋し、追い込み、ミスを誘発させる。プレッシングは、スペースを制することが理念のベースになっている。言わば、空間的に敵を追い込む戦術だ。
 
 2016年10月11日、ロシア・ワールドカップのアジア最終予選・オーストラリア戦で、日本代表はプレッシングでスペースの争いに勝っている。前線の選手が相手のCB、SB、アンカーの選手を蓋することで、後ろから繋ぐことを許さなかった。それで焦った相手からボールを奪い、カウンターを発動させ、原口元気が得点を叩き込んだ。
 
 つまり、“スペースの争い”とはいっても、そこは人と人の戦いになっている。
 
「はがす」
 
 そういう専門的な言い回しがあるが、ボールホルダーが一定の空間でボールを奪いに来た選手のマークを外し、前を向くことができたのなら、スペースの支配者として優位にゲームを進められる。
 
 そして自分で持ち運ぶことによって、味方にそれぞれのスペースでアドバンテージを与えられる。さらにワンツーを重ねることで、マークをはがせて、よりゴールに近づけるはずだ。
 
 球際の勝利は、スペースの勝利に繋がる。
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