早くもPK戦決着は3試合! 果たして今大会で最多記録は生まれるか!? 【ロシアW杯】

カテゴリ:国際大会

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年07月06日

過去最高は4回だが、果たして今大会は!?

写真は、最も直近にPK戦が行なわれたイングランド対コロンビア戦。賛否両論ある決着方法だが、今大会も多くのドラマが生まれている。 (C) Getty Images

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 7月6日より準々決勝に突入するロシア・ワールドカップ。ここまで、多くの激戦が繰り広げられてきた。
 
 一発勝負の決勝トーナメントに入ってからは、グループリーグとは試合の様相も変わり、どのチームにもより守備意識が強く備わり、まず点を取られないことを第一とした上で、それぞれの持ち味が発揮されるようになっている。
 
 そこで、フランス対アルゼンチン(4-3)のような派手な点の取り合いが展開された一方で、ともに120分間を戦っても決着がつかず、PK戦に勝敗(記録上は引き分けだが)が委ねられた試合が、すでに3試合も生まれた。
 
 11メートルの対決に至った経緯は、3試合それぞれ異なる。ロシアはスペインの猛攻をしのいでPK戦に持ち込んだという感が強いが、クロアチア対デンマークは、前者が延長後半終了間際にモドリッチがPKを外して試合を決めそこない、イングランドは90分で勝利を飾ろうとしていたところ、土壇場でコロンビアに追いつかれた。
 
 日本もベルギー相手に最後のカウンターをしのいで延長戦に持ち込んでいたら、あるいはPK戦にもつれ込んだかも……という「たら・れば」はさておき、決勝トーナメント1回戦の段階で3試合においてPK戦が行なわれたのは、過去最多である。
 
 これまでの最多は、前回ブラジル大会の2試合。ブラジル対チリ、コスタリカ対ギリシャはそれぞれ前者が、PK戦の末に準々決勝へ駒を進めた。ちなみに1990年イタリア大会のアイルランド対ルーマニア(前者が勝利)以降、決勝トーナメント1回戦では必ず1試合はPK戦が行なわれている。
 
 では、大会全体ではどうか? 1982年スペイン大会の準決勝・西ドイツ(当時)対フランス戦で、W杯史上初のPK戦が行なわれて以来、全大会で必ずこの11メートル対決が残酷なコントラストを描いてきたが、大会別で見ると、最多は1990年イタリア大会、2006年ドイツ大会、そして前回ブラジル大会の4回だ。
 
 さて今大会は前述した通り、すでに3回。90年大会以降、準々決勝では必ず1試合は行なわれているという過去のデータに加え、準々決勝ともなると、各国の実力はこれまで以上に拮抗しており、さらに互いに負けたくないという気持ちが強くなると、PK戦となる可能性は高くなってくる。
 
 ちなみに86年メキシコ大会では、歴史的名勝負といわれるフランス対ブラジル戦の他、西ドイツ対メキシコ戦、そしてベルギー対スペイン戦と、4試合中3試合が120分を過ぎて決着がつかなかった(いずれも前者が勝者)。なおこの大会の優勝は、このラウンドを唯一90分で勝ち抜いたアルゼンチンである。
 
 準決勝が2試合ともPK戦決着となったのは、90年大会。アルゼンチン対イタリア戦、西ドイツ対イングランド戦は、奇しくも先攻チームの4、5人目が外すという同じ展開で終焉を迎えた。開催国イタリア、イングランドはともに大会1、2位を争う好チームだったが、残酷な結末に涙を飲んだ。
 
 決勝戦、つまり世界一の座をPK戦で決したのは、94年、06年大会で、前者ではブラジルがイタリアを下し、後者ではイタリアがフランスを抑え、黄金のトロフィーを掲げている。
 
 さて今大会の準々決勝のカードを見ると、スウェーデン対イングランド戦は、前者の堅守ぶりに加え、後者が前ラウンドでPK戦決着だったことから、再び同じ展開となる可能性は十分にある。それは、ロシア対クロアチア戦も同様だろう。
 
 ウルグアイ対フランスは、前者がカバーニの負傷で(彼の出場の有無にかかわらず)攻撃力の低下が予想されるが、その分、より守備意識が強くなることで持ち前の堅守がさらに際立てば、フランスの攻撃を抑え込んでの“長期戦”が見込まれることとなる。
 
 78年大会から導入されたPK戦での決着については、常に賛否両論があるが、そこで多くの歴史に残るドラマが生まれているのも事実。今回、この息詰まるような緊張感に包まれる11メートル対決が、あとどれだけ実現するだろうか。
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