無失点記録を23年ぶりに更新! 偉大なる父を超えたシュマイケルの「葛藤と苦悩」

カテゴリ:国際大会

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年06月17日

レスター移籍が大きなターニングポイントに

自身のW杯デビュー戦で父の無失点記録を塗り替えたシュマイケル。6度のビッグセーブを繰り出し、デンマークの危機を救った。(C)Getty Images

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 まさに鬼神のごとくゴールマウスに立ちはだかった。ペルーの猛攻を6度のビッグセーブで凌ぎ切り、デンマークに貴重な勝点3をもたらした守護神、キャスパー・シュマイケル。実は試合中に偉大な記録を更新していた。
 
 父は言わずと知れた伝説のGK、ペーター・シュマイケル。1990年代のマンチェスター・ユナイテッド黄金期を支えた名手で、プレミアリーグやチャンピオンズ・リーグなどで合計10個のタイトルを獲得した。同国代表チームで最多129試合の出場を誇り、92年のEUROでは奇跡の戴冠劇の立役者となった人物だ。
 
 現在54歳の偉大な父が95年に打ち立てたのが、470分間という同国代表での無失点記録。これを現在31歳の息子がペルー戦で塗り替えたのだ。試合中に471分間に到達すると、最終的には534分間にまで伸ばした。直近の5試合ですべてクリーンシート達成とすこぶる調子がいい。

 
 30歳を超えてようやくワールドカップ・デビューを果たしたキャスパーにとって、父はつねに巨大な壁だった。物心ついた頃からGKを志し、マンチェスター・シティの下部組織で研鑽を積む。21歳でトップデビューを飾って「あのシュマイケルのジュニアが大活躍!」とセンセーションを巻き起こすも、長くは続かず、やがて下部リーグのクラブに貸し出されて転々とし、武者修行を続ける日々。世間にはどうしても父の面影を重ねられ、色眼鏡で見られてしまう。自暴自棄になった時期もあったという。
 
 それでもキャスパーは、3部や2部リーグの荒々しいフットボールのなかで経験を蓄積し、逞しさを見に付けていった。ノッツ・カウンティやリーズ・ユナイテッドと古豪を渡り歩き、2011年夏にレスター・シティに活躍の場を移す。これが大きな転機となった。24歳の時だ。
 
 不動の守護神として絶対的な地位を築き、13年にようやくデンマーク代表に初選出される。15-16シーズンにはレスターのプレミア昇格に貢献。およそ7年ぶりでトップリーグに復帰すると、翌シーズンにクラブは望外の快進撃を続け、史上初のプレミア優勝を成し遂げるのだ。
 
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