日本は“笑顔の香川”と心中すべきか【ロシアW杯】

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2018年06月16日

ベンチに置いておくようなタレントでは決してない

パラグアイ戦で笑顔を取り戻した香川。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

画像を見る

 相変わらず人気はある、素直にそう思った。2018年6月8日のスイス戦、77分に本田圭佑に代わって“10番”がピッチに投入されると、スイスのサポーターからも「カガワ‼、カガワ‼」と歓声が沸き起こる。その光景を見て、香川真司がワールドワイドに活躍する選手だということを改めて理解した。
 
 そう言えば、ワールドカップ開幕前にポーランドのスポーツ紙『Przeglad Sportowy』のヤクブ・ラドムスキ記者に「日本で最も警戒すべき選手は?」と聞いたら、「カガワ」と即答していた。日本代表の中で、おそらく香川は名前だけで相手に威圧感のようなものを与えられる数少ない選手のひとりだ。
 
 だからこその背番号10だし、このタイミングで香川と心中してもいいのではないか。確かに懸念はある。2014年のブラジル・ワールドカップのギリシャ戦(グループリーグ2戦目)では屈辱のスタメン落ち、翌15年のアジアカップ準々決勝のUAE戦ではPK失敗となにかと代表ではネガティブなイメージが付きまとう。しかし、どれもこれも過去の話だ。
 
 トップ下を置くシステムなら、本田より香川のほうを起用すべきだろう。単純にパラグアイ戦で良かったからというではなく、カウンターを仕掛けるには本田のキープ力よりも香川の素早いターンや走ったままでのトラップ技術のほうが有効に映るからだ。
 
 
 才能、技術は申し分ない。あとは強靭なメンタルで挑めるかだ。パラグアイ戦後、親友の長友佑都も香川についてこう語っている。
 
「彼が点を取ってくれて、僕自身本当に嬉しかったし、自信を持ってワールドカップを迎えてほしいという気持ちがやっぱりあって、点取った後に嬉しさのあまり、グラウンドの中に入ってしまいましたからね」
 
「やっぱり代表でも一緒に過ごしてきて、とくにこの時期、彼が怪我してドルトムントでも試合に出ていないなかで、代表に合流して、彼自身はポジティブに考えているんだけど、顔が冴えてなかったというか。僕は一緒に(代表で)10年間プレーしてきて、感じていたからこそ、昨日の彼の得点を取っての笑顔とか、終わった後の普通の彼の笑顔が出ていたなという感じがして。ワールドカップもこのままいってほしいなと思いますね」
 
 確かにパラグアイ戦後のミックスゾーンでは以前よりも緊張が解けたような表情をしていた。いわゆる「香川信者」ではないが、ベンチに置いておくようなタレントでは決してない。そこまで戦術が固まっていない現状なら、なおさら個の能力を重視すべきだろう。このタイミングで“笑顔”を取り戻した香川と心中する。悪い選択肢ではない。コロンビアにとっても、香川がいる、いないで日本への警戒レベルが変わるはずだ。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
【関連記事】
【西野ジャパンのベスト布陣】香川、乾、柴崎、山口…。この11人でコロンビア戦を戦え!!
「日本は2位通過」「全体の10番手」世界的データ会社が西野ジャパンに驚きの高評価!
「サウジ0-5」に何を思う。日本代表の面々の様々な反応
日本代表23戦士のベストショットを厳選! FIFA公式写真で「芸人顔負けのキメ顔」を見せたのは?
「思い知らされた」。山口蛍が“サウジ惨敗”に思うこと

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ