【セルジオ越後の天国と地獄】テストマッチの2試合はもう忘れたほうがいい

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年06月12日

レフェリーが違えばザンビア戦の2得点はなかったかもしれない。

本番は確実にテストマッチの相手より強い。アメリカでの2試合はもう忘れるべきだ。 (C) SOCCER DIGEST

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※週刊サッカーダイジェスト7.7号(6月10日発売号)より
 
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 アメリカで事前キャンプを張っていたザックジャパンが、2日にコスタリカ戦、6日にはザンビア戦とふたつのテストマッチを戦ったね。結果は、ともに日本が逆転勝利を収めた。
 
 コスタリカ戦は、0-1で迎えた後半に、遠藤のゴールで追いつくと、香川が逆転弾、終了間際には柿谷が追加点を挙げて、3-1で勝った。点の取り合いとなったザンビア戦は、2点のビハインドを追う展開だったけど、前半のうちに本田がPKを決めて1点差に詰め寄り、後半、香川と本田のゴールで試合をひっくり返してみせる。その後、同点とされるも、すぐさま大久保がネットを揺らして4-3とし、そのままタイムアップを迎えた。
 
 本大会を目前に控えるこのタイミングで、2試合連続の逆転勝利は確かにインパクトがあっただろうね。ポジティブな印象をもたらしたかもしれないけど、個人的には評価する気にとてもなれないよ。
 
 まず、コスタリカ戦にせよ、ザンビア戦にせよ、先に失点している前半の出来が良くない。こういった類のテストマッチは、お互いに走れている前半の戦いぶりこそが最も重要な判断材料となり、「真実」が語られていると思うんだ。後半になれば相手の足も止まってくるし、選手交代も頻繁に行なわれ、大味な試合展開になる。本当の意味で、ワールドカップ本番を想定したシミュレーションにならないんだよ。
 
 そもそも、ザンビア戦に関しては、本大会に向けて準備している日本とそうでない国との対戦で、両者の置かれている状況やモチベーションは違うんだ。そういう相手に対して、辛うじて勝ったに過ぎない。勘違いしてはいけないよ。
 
 ザンビア戦の得点シーンを冷静に振り返れば、本田の1点目につながるPKは、相手側に立てばかなり気の毒に思えるほどの判定で、日本にとってはラッキーな形で得たものだ。大久保に合わせにいったボールがそのままゴールに吸い込まれた香川の得点も、プレーに関与していた大久保は明らかにオフサイドの位置にいたんじゃないのかな。
 
 レフェリーが違えば、この2得点はなかったかもしれないし、微妙なゴールだったのは間違いない。大久保の決勝点にしたって、アシストした青山は6人目の途中出場だ。本番では決して存在しない選手なんだよ。
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