[キリンチャレンジカップ]日本１-２ウクライナ／３月27日／ベルギー・リエージュ
 
「苦しい状況だし、満足できる内容ではない。ただ上手くいっていない状況を理解して、自分たちでかみ砕きながら、前に進んでいくしかない。この２試合をきっぱりと忘れることはできないが、頭を切り替えて。ネガティブになる必要もないし、なっている暇はない」
 
　ミックスゾーンで率直な想いの丈を明かしたのは、今回の欧州遠征で約９か月ぶりに代表復帰を果たした宇佐美貴史。所属クラブで４戦連続ゴールを記録するなど好調を維持するアタッカーは、マリ戦で先発出場。ウクライナ戦は87分からプレーした。
 
　積極的な仕掛けが売りのアタッカーは、この試合で改めて重要なことに気づいたようだ。
 
「個の打開力に尽きると思う。１失点目は少し不運な形だったけど、２失点目はシャルケの選手（イェヴヘン・コノプリャンカ）がふたりをぶっちぎってチャンスを作っていた。戦術やチームの決まり事がある中でも、個で剥がしていく選手の重要性をベンチで見ていて感じた。個でどれだけ打開していけるか、個のイメージやアイデアがどれだけチームの連動性を作り出せるかというのはフォルトゥナ（・デュッセルドルフ）でこだわってやっている」
 

　結局、欧州遠征は２試合で２得点に終わり、ウクライナ戦では流れの中から得点を奪うには至らなかった。決定機の数はもちろん、チームとして積極的に仕掛ける姿勢もあまり見られなかったのが現状だ。
 
「ギアを上げて、結果を出して、ワールドカップメンバーに食い込んでいくチャンスを広げていきたい」そう語る25歳の技巧派が言葉通り調子を上げてくれれば――。個のクオリティ不足が課題のハリルジャパンにとって、間違いなくプラスになるだろう。
　
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