日曜日に行なわれたイタリア・セリエＡ24節、インテル対ボローニャの一戦で驚きのファインゴールが飛び出した。
 
　本拠地サン・シーロで苦戦を強いられるインテル。１－１で迎えた63分だった。この日２トップの一角を担ってインテルでの初先発を飾った19歳のフランスU-21代表FW、ヤン・カラモが大仕事をやってのける。右サイドからラフィーニャとのワンツーで中央へ抜け出し、巧みなダブルタッチでマーカーを振り切ると、ゴール前25メートルの位置から左足を一閃！　鋭くスライダー回転がかかった球で相手GKをぶち破り、セリエＡ初ゴールをゲットした。
 
　試合はその後、ボローニャにふたりの退場者が出るなど運にも助けられ、インテルが２－１で勝利。実に９試合ぶりの勝ち星を挙げ、２得点以上取ったのも９試合ぶりとなった。カラモはここまでリーグ戦わずか４試合の出場で、58分間プレーしたのみ。ルチアーノ・スパレッティ監督の“賭け”が吉と出た格好だ。フランスのカーンからレンタルでやってきた新鋭が、ミラノの名門を救ってみせた。
 
　イタリアの名物紙『La Gazzetta Dello Sport』は「カラモがサン・シーロのヒーローだ」と銘打ち、コートジボワールにルーツを持つストライカーを絶賛。「完全に彼の試合だった。スパレッティ監督の抜擢起用に見事結果で応え、図抜けたスピードとテクニックを披露。そして、阻止不能なゴールでインテルに勝利を呼び込んだ。まさしく、ニューヒーローの誕生である」。さらにスパレッティ監督も試合後の会見で、「ヤンはその若さに似つかわしくない落ち着きがあり、フットボールをよく理解している。チームプレーに徹することができる選手なんだ」と称えた。
 
　次から次へとスーパータレントが飛び出すフランスから、またひとり、スターダムを駆け上がる若武者が現われた。