【番記者通信】ダービーにスペクタクルを、クオリティーを|ミラン

カテゴリ:メガクラブ

レナート・マイザーニ

2014年05月10日

敵対心のぶつかり合いも、感情も高ぶりも…。

お寒い内容だったミラノダービーを、ミラン番記者が改めて振り返る。 (C) Getty Images

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 スクデットが懸かっていたわけではなく、チャンピオンズ・リーグの出場権争いとも無縁。どうにか絡んでいたのは、ヨーロッパリーグの出場権争い……。敵対心がぶつかり合い、感情が高ぶり、スペクタクルに溢れる、そんなダービーらしさが、今回のミラノダービーにはなかった。
 
 ピッチにはクオリティーもなかった。かつては、絢爛豪華なトップスターたちが華やかに競演したものだ。ロナウド、ロベルト・バッジョ、アンドリー・シェフチェンコ、パオロ・マルディーニ……。ミラノダービーには、スーパースターが付き物だった。
 
 それが、いまはどうだ。スターと呼べる存在はほんの一握りで、大半が“兵卒”だ。これではスペクタクルもクオリティーも望めない。唯一のゴールを決めたのは、その象徴とも言えるナイジェル・デヨンク。しかもそれが、このオランダ代表MFにとって今シーズンの初ゴールだった。
 
 クオリティーの欠如を物語るのが、中盤の顔ぶれだ。ミラノダービー史上で、もっともタレント性の低い中盤だったのではないか。デヨングにアンドレ・ポーリ、一方のインテルにはジョナタンだ。
 
 インテルの消極的なアプローチが、凡戦に拍車をかけた。ロドリゴ・パラシオとその仲間たちは、試合を通じてただの一度も、GKに向かってシュートを飛ばすことができなかった。インテルの枠内シュートは0本で、これはミラノダービーで10年ぶりの不名誉な記録だ。ワルテル・マッザーリ監督が、インテリスタだけでなく、イタリア中のサッカーファンからバッシングを浴びたのは、当然だろう。
 
 バッシングこそなかったものの、ミランのクラレンス・セードルフ監督も褒められたものではない。彼が送り出した11人も決して質の高いプレーを見せたわけではないのだから。事実、ミラニスタは、3年ぶりのダービー勝利で昨年12月の敗北(0-1)の借りを返した喜びよりも、低調な内容に落胆していた。
 
 セードルフの命運は、もはや尽きていると言っていい。EL出場権を確保しても、続投はないはずだ。補強戦略を巡ってクラブ首脳陣と衝突し、選手たちからはマネジメントに対する不満と不信が噴出している。シーズン終了後の解任は不可避だろう。
 
 いずれにしても、来シーズンはクオリティーとスペクタクルに溢れるミラノダービーを見たいものだ。
 
【記者】
Renato MAISANI
レナート・マイザーニ
1985年カターニャ生まれ。2006年から地元紙やWEB媒体でキャリアを積み、ミラノに軸足を移して活動の場を拡げる。現在はイタリア国内の著名ポータルサイトの編集員。国外サッカーにも通じ、地元紙でフランス・リーグのレビューを連載中だ。
 
【翻訳】
神尾光臣

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