【番記者通信】ラムジーの復帰、ガンナーズの輝き|アーセナル

カテゴリ:メガクラブ

ジェレミー・ウィルソン

2014年04月24日

未来を切り開くのは――。

タイミング良くDFラインの裏に抜ける真骨頂で復帰後初ゴール。アーセナルが取り戻した輝きに、ラムジーの存在の大きさが反映。 (C) Getty Images

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「フットボールとは、フィールドに立つ選手のクオリティーに左右される。今日の試合で、みなさんも目の当たりにしたのではないか」
 
 3-0で完勝したハル戦(4月20日)後の記者会見で、アーセン・ヴェンゲル監督は思わず本音を漏らした。
 
 ヴェンゲル監督が感服した理由は他でもない。昨年12月26日のウェストハム戦で大腿部を負傷したアーロン・ラムジーが、復帰後初めてプレミアリーグで先発したのである。その前節のエバートン戦で3か月ぶりのピッチに立ったラムジーは、さっそく先制ゴールを決めてハル戦の勝利に貢献。前半戦のプレミアを席巻した主役が戻り、アーセナルは息を吹き返したかのように輝きを取り戻した。
 
 離脱するまでのラムジーは、それこそ手が付けられない状態だった。公式戦を通じて13ゴールを奪取。中盤の選手ながら破竹の勢いで得点を重ね、首位を走るチームを牽引した。あの忌まわしい怪我さえなければ、PFA(プロサッカー選手協会)の年間最優秀選手賞を受賞してもおかしくなかった。
 
 事実、この23歳のウェールズ人が戦列を離れると、アーセナルの成績は下降線を辿った。プレミアでは首位から4位に転落し、チャンピオンズ・リーグは決勝トーナメント1回戦で敗退。ラムジーの離脱は、間違いなく失速の一因だった。
 
 ラムジーの持ち味は、大きく2つある。ひとつは、活力に満ちたプレーと豊富な運動量。ピッチのほぼ全域をカバーし、走行距離はほぼ常にチームトップの数値を叩き出す。
 
 もうひとつは、抜群の得点感覚だ。「ここぞ」というタイミングでDFラインの裏を取り、ラストパスを引き出してネットを揺らす。第六感とも言うべき独特のセンスを働かせ、ゴール前に侵入するその姿は、全盛期のフランク・ランパードを彷彿とさせる。アーセナルのパスサッカーに“違い”を生み出す稀有な存在と言えるだろう。
 
 ジャック・ウィルシェア、セオ・ウォルコット、アレックス・チェンバレン、キーラン・ギブス、そしてラムジー。ノース・ロンドンに集う英国系ヤングタレントの成長が、ガンナーズ(アーセナルの愛称)の未来を切り拓くのは間違いない。
 
【記者】
Jeremy WILSON|Daily Telegraph
ジェレミー・ウィルソン/デイリー・テレグラフ
英高級紙『デイリー・テレグラフ』でロンドン地域を担当し、アーセナルに精通。チェルシーとイングランド代表も追いかけるやり手で、『サンデー・タイムズ』紙や『ガーディアン』紙にも寄稿する。

【翻訳】
田嶋康輔
 
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