代表選手たちからの信望が厚い、52歳の叩き上げ。
少しいかつい風貌とは裏腹に、対応と口調はいたってマイルド。オーストラリア代表を率いるアンジェ・ポステコグルー監督が、日本戦の前日会見に臨み、抱負を語った。
「日本代表のことも選手のこともリスペクトしている。明日、我々は最善を尽くすだけだ。ただ、結果のみを追うのではなく、質の高いチームを相手にいい試合をすることを私は目標としている」
オーストラリア代表選手からの信望が厚い、52歳の指揮官(8月27日が誕生日だった)。FWロビー・クルーズは「みんな彼の戦術家としての確かな力量に心酔している。そして誰もがアンジェのために戦おうと、そう奮起させる熱情があるんだ」と語る。いったいどんな人物なのか。
フルネームは、アンジェロス・ポステコグルー。生まれ故郷がギリシャのアテネだと聞けば、この不思議な名前の響きも納得がいくだろう。代表選手たちの多くと同様に、5歳の時に家族で移住。世界的な大都市メルボルンで育ったという。
現役時代は屈強なディフェンダーとして鳴らし、主にサウス・メルボルンでプレー。オーストラリア代表にも4試合出場したが、29歳だった1994年にスパイクを脱いだ。兼ねてから関心の強かった指導者の道を歩み出すのだ。
1996年に心のクラブ、サウス・メルボルンの監督に就任すると、中堅クラブを瞬く間に国内屈指の強豪へと押し上げた。2000年からはオーストラリアU-17、U-20代表の監督を歴任し、7年間に渡って育成のメソッドを練り上げたという。現在に至る若手登用の巧みさはここで磨かれたのだろう。
その後はふたたび国内クラブの名門を転々とし、6つのタイトルを奪取。「もっとも成功したオーストラリア人指揮官」との声価を得ると、2013年、満を持してA代表の監督に指名された。
指揮官ポステコグルーが標榜するのは、技巧と機動力を高次元にミックスさせたモダンなスタイルだった。ロングボールを多用するばかりだった母国の代表選手たちの意識改革に着手。同時に大胆な若返りを繰り返しながら、チームを鍛え上げてきた。
英雄ティム・ケイヒルはこう語る。
「みんな一丸となって取り組んできた。ようやくひとつの成果として現われたのが、こないだのコンフェデレーションズ・カップだった。あの最終戦のチリ戦は、アンジェが監督になってからベストと言えるパフォーマンスだったね。これまでとは違うサッカルーズ(オーストラリア代表の愛称)をもっと知ってほしい。だからこそ、(来年の)ワールドカップには絶対に出たいと、みんな思っているんだ」
10年前より欧州トップリーグで活躍する選手は減った。タレント力は落ちたが、チーム力、組織力は格段に高まったというのが、国内メディアの定評だ。
オーストラリア国内でひたすら研鑽を積んできた叩き上げ。木曜日に埼玉スタジアムで日本と対峙するのはそんな戦術家が率いる、一枚岩の精鋭軍団なのである。
「日本代表のことも選手のこともリスペクトしている。明日、我々は最善を尽くすだけだ。ただ、結果のみを追うのではなく、質の高いチームを相手にいい試合をすることを私は目標としている」
オーストラリア代表選手からの信望が厚い、52歳の指揮官(8月27日が誕生日だった)。FWロビー・クルーズは「みんな彼の戦術家としての確かな力量に心酔している。そして誰もがアンジェのために戦おうと、そう奮起させる熱情があるんだ」と語る。いったいどんな人物なのか。
フルネームは、アンジェロス・ポステコグルー。生まれ故郷がギリシャのアテネだと聞けば、この不思議な名前の響きも納得がいくだろう。代表選手たちの多くと同様に、5歳の時に家族で移住。世界的な大都市メルボルンで育ったという。
現役時代は屈強なディフェンダーとして鳴らし、主にサウス・メルボルンでプレー。オーストラリア代表にも4試合出場したが、29歳だった1994年にスパイクを脱いだ。兼ねてから関心の強かった指導者の道を歩み出すのだ。
1996年に心のクラブ、サウス・メルボルンの監督に就任すると、中堅クラブを瞬く間に国内屈指の強豪へと押し上げた。2000年からはオーストラリアU-17、U-20代表の監督を歴任し、7年間に渡って育成のメソッドを練り上げたという。現在に至る若手登用の巧みさはここで磨かれたのだろう。
その後はふたたび国内クラブの名門を転々とし、6つのタイトルを奪取。「もっとも成功したオーストラリア人指揮官」との声価を得ると、2013年、満を持してA代表の監督に指名された。
指揮官ポステコグルーが標榜するのは、技巧と機動力を高次元にミックスさせたモダンなスタイルだった。ロングボールを多用するばかりだった母国の代表選手たちの意識改革に着手。同時に大胆な若返りを繰り返しながら、チームを鍛え上げてきた。
英雄ティム・ケイヒルはこう語る。
「みんな一丸となって取り組んできた。ようやくひとつの成果として現われたのが、こないだのコンフェデレーションズ・カップだった。あの最終戦のチリ戦は、アンジェが監督になってからベストと言えるパフォーマンスだったね。これまでとは違うサッカルーズ(オーストラリア代表の愛称)をもっと知ってほしい。だからこそ、(来年の)ワールドカップには絶対に出たいと、みんな思っているんだ」
10年前より欧州トップリーグで活躍する選手は減った。タレント力は落ちたが、チーム力、組織力は格段に高まったというのが、国内メディアの定評だ。
オーストラリア国内でひたすら研鑽を積んできた叩き上げ。木曜日に埼玉スタジアムで日本と対峙するのはそんな戦術家が率いる、一枚岩の精鋭軍団なのである。