「こういう時は、逆にPKを蹴らないほうがいい」
[J1第19節]横浜 2-2 清水/7月29日/日産スタジアム/24,881人
点を取るのが仕事であるストライカーだからこそ、今季いまだにノーゴールの齋藤学の苦しみが、手に取るように分かるのだろう。
チームを敗戦から救う値千金の同点弾を決めた清水のエース鄭大世は、この日、PKというビッグチャンスさえもモノにできなかった横浜の10番の現状について、持論を展開してくれた。
「焦り? めちゃくちゃ分かりますね。だから、こういう時って、逆にPKを蹴らないほうがいいと思うんですよ。絶対決めるやつほど、決まらなかったりするし。後半にも、ドリブルから決定機を作ったけど、力んでシュートはGKの真ん中だった。
あれなんて、サイドキックで蹴れば入るのに、力むからインステップになる。インステップで蹴ると、内転筋の力で真ん中に行っちゃうんですよ。普通にサイドキックでコースに流し込めば、絶対に入ると思う。
ゴールを取れていないと、焦って、力んでしまうんですよね。つまり、シュートを打つ時に冷静じゃなくなる」
自身もおそらくゴールから遠ざかる時期を経験しているはずで、それでも今もFWとして第一線で活躍する男の見立ては傾聴に値する。だが、鄭は「気にしなくていい」とも語る。
「遅かれ早かれ、ゴールが取れる時は必ず来る。取ったら取ったで、ああこんなもんか、なんで今までこんなに悩んでいたんだろうって思うはず」
何よりも、鄭は齋藤というアタッカーの実力を認めている。
「別に点を取らなくても、プレーの影響力はハンパじゃないんで。彼ひとりいるだけで、DFはきりきり舞いにされるし、本当にシンドイ。何回もスプリントさせられますから。ゴールできなかったからといって、責任を感じる必要はまったくないですよ」
試合後は、肩を落として落胆を隠せなかった齋藤だが、相手に与える脅威は依然として大きいようだ。そして、いずれ訪れるはずのゴールの瞬間まで、気持ちを切らさずに、前を向いて戦うしかない。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
点を取るのが仕事であるストライカーだからこそ、今季いまだにノーゴールの齋藤学の苦しみが、手に取るように分かるのだろう。
チームを敗戦から救う値千金の同点弾を決めた清水のエース鄭大世は、この日、PKというビッグチャンスさえもモノにできなかった横浜の10番の現状について、持論を展開してくれた。
「焦り? めちゃくちゃ分かりますね。だから、こういう時って、逆にPKを蹴らないほうがいいと思うんですよ。絶対決めるやつほど、決まらなかったりするし。後半にも、ドリブルから決定機を作ったけど、力んでシュートはGKの真ん中だった。
あれなんて、サイドキックで蹴れば入るのに、力むからインステップになる。インステップで蹴ると、内転筋の力で真ん中に行っちゃうんですよ。普通にサイドキックでコースに流し込めば、絶対に入ると思う。
ゴールを取れていないと、焦って、力んでしまうんですよね。つまり、シュートを打つ時に冷静じゃなくなる」
自身もおそらくゴールから遠ざかる時期を経験しているはずで、それでも今もFWとして第一線で活躍する男の見立ては傾聴に値する。だが、鄭は「気にしなくていい」とも語る。
「遅かれ早かれ、ゴールが取れる時は必ず来る。取ったら取ったで、ああこんなもんか、なんで今までこんなに悩んでいたんだろうって思うはず」
何よりも、鄭は齋藤というアタッカーの実力を認めている。
「別に点を取らなくても、プレーの影響力はハンパじゃないんで。彼ひとりいるだけで、DFはきりきり舞いにされるし、本当にシンドイ。何回もスプリントさせられますから。ゴールできなかったからといって、責任を感じる必要はまったくないですよ」
試合後は、肩を落として落胆を隠せなかった齋藤だが、相手に与える脅威は依然として大きいようだ。そして、いずれ訪れるはずのゴールの瞬間まで、気持ちを切らさずに、前を向いて戦うしかない。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)