自慢のヘッドで勝利を呼び込むも「10ゴール目」は幻に。
3月7日のナポリとのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2レグ、劣勢に立たされていたレアル・マドリーを救ったのはセルヒオ・ラモスだった。
開始からホームのナポリに押し込まれ、1点ビハインドで迎えた後半。まず51分にコーナーキックを打点の高いヘッドで叩き込む。これでチームに勢いをもたらすと、さらにその6分後には再びコーナーキックから渾身のヘッドが炸裂!
この日が記念すべきCL100戦目だったキャプテンの立て続けの2ゴールで逆転に成功したマドリーは、トータルスコアを5-2とし、ベスト8進出がほぼ確実に。そして終了間際には途中出場のアルバロ・モラタが加点し、駄目を押した。
前半の45分間は、第1レグで得た2点のアドバンテージを失ってもおかしくない展開だっただけに、2つのゴールでチームに自信と勝利をもたらしたS・ラモスの貢献は計り知れない。まさにキャプテン様様である。
殊勲のS・ラモスにとって唯一残念だったのは、一度は自分の得点として記録された2つ目のゴールが、その後にドリース・メルテンスのオウンゴールに変更されたことだ。たしかにS・ラモスのシュートは、クリアしようとしたメルテンスの頭に当たってゴールを割っていた。試合後に本人は「信じられない! 僕の“ダブル”が持ち去られてしまった!」と振り返ったが、オウンゴール判定は妥当だろう。
しかし、もしこれがS・ラモスの得点として認められていれば、彼にとっては今シーズンの公式戦10ゴール目だった。自身初となる二桁得点は持ち越しとなったわけだ。
言うまでもなく、ディフェンダーが10ゴールの大台に乗せるのは生半可なことではない。マドリーでいえば、超攻撃的サイドバックでフリーキックの名手としても知られたロベルト・カルロスでさえ、在籍11年で一度も達成していないのだ。このレジェンドにとっては、2000-01シーズンの9ゴールが全キャリアを通じての最多記録である。
近年、欧州主要リーグで“10ゴール超え”を果たしたディフェンダーは、09-10シーズンのナウド(当時ブレーメン/現シャルケ)、11-12シーズンのヤン・ヴェルトンゲン(当時アヤックス/現トッテナム)とファビアン・モンソン(当時ニース/現ウニベルシダ・チリ)、そして14-15シーズンのリカルド・ロドリゲス(ヴォルフスブルク)くらいのもの。ナウドとヴェルトンゲンはセンターバック、モンソンとR・ロドリゲスはともに左サイドバックである。ナウドはブンデスリーガ、DFBカップ、ヨーロッパリーグという3つのコンペティションで合計13ゴールを挙げ、他の3人はいずれも10ゴールをマークした。
すでに9ゴールを記録している今シーズンのS・ラモスが、彼らに続いて大台に到達するのはほぼ間違いないだろう。これまでの自己記録が13-14シーズンと14-15シーズンの7ゴールだから、例年を遥かに上回るペースでゴールを積み上げていることになる。
しかも、ただゴールを重ねているわけではない。今シーズンのS・ラモスが称賛に価するのは、決めたゴールの多くが勝敗を左右する決定的な一撃である点だ。セビージャとのUEFAスーパーカップ、そしてリーガ・エスパニョーラ14節のバルセロナ戦では、いずれも敗色濃厚の終了間際に起死回生の同点弾を叩き込んでいる。
ともにアトレティコ・マドリーと対戦した二度のCL決勝(13-14、15-16シーズン)で重要なゴールを決めているように、以前から大舞台や土壇場での勝負強さには定評があったS・ラモス。しかし今シーズンは、対戦相手にとってますます危険な存在になっている。9ゴールのうち7ゴールを生み出しているヘディングシュートは、まさに脅威だ。
ナポリ戦で幻と消えた10ゴール目は、はたしていつ飛び出すのか。4月にはA・マドリー戦、CL準々決勝、そしてバルサとのクラシコと重要な試合がいくつも控えているが、それらのビッグマッチで持ち前の勝負強さを見せる可能性は大いにあるだろう。
開始からホームのナポリに押し込まれ、1点ビハインドで迎えた後半。まず51分にコーナーキックを打点の高いヘッドで叩き込む。これでチームに勢いをもたらすと、さらにその6分後には再びコーナーキックから渾身のヘッドが炸裂!
この日が記念すべきCL100戦目だったキャプテンの立て続けの2ゴールで逆転に成功したマドリーは、トータルスコアを5-2とし、ベスト8進出がほぼ確実に。そして終了間際には途中出場のアルバロ・モラタが加点し、駄目を押した。
前半の45分間は、第1レグで得た2点のアドバンテージを失ってもおかしくない展開だっただけに、2つのゴールでチームに自信と勝利をもたらしたS・ラモスの貢献は計り知れない。まさにキャプテン様様である。
殊勲のS・ラモスにとって唯一残念だったのは、一度は自分の得点として記録された2つ目のゴールが、その後にドリース・メルテンスのオウンゴールに変更されたことだ。たしかにS・ラモスのシュートは、クリアしようとしたメルテンスの頭に当たってゴールを割っていた。試合後に本人は「信じられない! 僕の“ダブル”が持ち去られてしまった!」と振り返ったが、オウンゴール判定は妥当だろう。
しかし、もしこれがS・ラモスの得点として認められていれば、彼にとっては今シーズンの公式戦10ゴール目だった。自身初となる二桁得点は持ち越しとなったわけだ。
言うまでもなく、ディフェンダーが10ゴールの大台に乗せるのは生半可なことではない。マドリーでいえば、超攻撃的サイドバックでフリーキックの名手としても知られたロベルト・カルロスでさえ、在籍11年で一度も達成していないのだ。このレジェンドにとっては、2000-01シーズンの9ゴールが全キャリアを通じての最多記録である。
近年、欧州主要リーグで“10ゴール超え”を果たしたディフェンダーは、09-10シーズンのナウド(当時ブレーメン/現シャルケ)、11-12シーズンのヤン・ヴェルトンゲン(当時アヤックス/現トッテナム)とファビアン・モンソン(当時ニース/現ウニベルシダ・チリ)、そして14-15シーズンのリカルド・ロドリゲス(ヴォルフスブルク)くらいのもの。ナウドとヴェルトンゲンはセンターバック、モンソンとR・ロドリゲスはともに左サイドバックである。ナウドはブンデスリーガ、DFBカップ、ヨーロッパリーグという3つのコンペティションで合計13ゴールを挙げ、他の3人はいずれも10ゴールをマークした。
すでに9ゴールを記録している今シーズンのS・ラモスが、彼らに続いて大台に到達するのはほぼ間違いないだろう。これまでの自己記録が13-14シーズンと14-15シーズンの7ゴールだから、例年を遥かに上回るペースでゴールを積み上げていることになる。
しかも、ただゴールを重ねているわけではない。今シーズンのS・ラモスが称賛に価するのは、決めたゴールの多くが勝敗を左右する決定的な一撃である点だ。セビージャとのUEFAスーパーカップ、そしてリーガ・エスパニョーラ14節のバルセロナ戦では、いずれも敗色濃厚の終了間際に起死回生の同点弾を叩き込んでいる。
ともにアトレティコ・マドリーと対戦した二度のCL決勝(13-14、15-16シーズン)で重要なゴールを決めているように、以前から大舞台や土壇場での勝負強さには定評があったS・ラモス。しかし今シーズンは、対戦相手にとってますます危険な存在になっている。9ゴールのうち7ゴールを生み出しているヘディングシュートは、まさに脅威だ。
ナポリ戦で幻と消えた10ゴール目は、はたしていつ飛び出すのか。4月にはA・マドリー戦、CL準々決勝、そしてバルサとのクラシコと重要な試合がいくつも控えているが、それらのビッグマッチで持ち前の勝負強さを見せる可能性は大いにあるだろう。