【川崎】古巣との対戦で沈黙した家長。チームに順応できていない理由とは?

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2017年02月26日

「求められていることができていない」

大宮戦では1トップに入った家長。しかし、昨季の大宮で見せたような輝きは放てなかった。写真:徳原隆元

画像を見る

[J1リーグ開幕戦]大宮 0-2 川崎/2月25日/NACK
 
 大宮と川崎のリーグ開幕戦、0-0でゲームが進むなか、57分に両チームを通じて最初の選手交代が行なわれた。ピッチ脇に立ったレフェリーが掲げた背番号は「41」。両サポーターがよく知る男、家長昭博が後半早々にベンチへと下がったのだ。
 
 今季、大宮から川崎へと移籍した家長にとってリーグ初戦は、奇しくも古巣との対戦になった。「最近までいたのでこんなに早く帰ってきて、逆に違和感がなかった」と、慣れ親しんだNACK5スタジアムでのゲーム。試合前の選手紹介では、その危険性を熟知する大宮サポーターから盛大なブーイングを受けた。
 
 この日、家長が担ったのは4-2-3-1での1トップ。川崎での初陣となった3日前のACL・水原三星戦では2トップの一角に入っていただけに、新たなポジションでのプレーとなった。そのせいか、序盤からパスを受けようと必死に動き回るが、周囲と呼吸が合わず、なかなか意図した形で前を向けない。
 
 家長の苦戦と呼応するかのようにチームの調子も上がらず、前半は大宮に主導権を握られた。開幕前、そして水原三星後も川崎の独特なパス回しに「順応し切れていない」と吐露していた男は、この日もピッチの上で悪戦苦闘していた。
 
「監督にはボールをもっと引き出さないといけないと言われましたが、実際にそうだと思います。そういう点で、求められていることができていない。チームと合っていない。僕自身の問題を改めて感じました。ボールの引き出し方がまだまだと感じます。そこが良くならないといけないです」
 
 皮肉にも背番号41がピッチを退いてから9分後にチームは先制に成功し、勝利を収めた。試合前に注目を集めていた男は仲間と白星スタートを喜びながら、静かにロッカールームへと引き上げた。
 
 それでも試合後の家長の表情に悲壮感はなかった。「厳しいなかで勝てたことは良かった」とチームの勝利に手応えを示し、前を向いた。
 
 振り返れば、ここ数年の川崎の新戦力、特に前線の選手で即座にチームに順応できた人材は少ない。現在は主軸となっているボランチのエドゥアルド・ネットにしても、昨季、スタイルに慣れるまでは一定の時間を要した。
 
 だからこそ、中村も「うちはこうという崩しのパターンがない。なので、アドリブでやっていくなかで、ここに入って行けば崩せるんだと感覚で覚えていくしかない。大切なのは慣れ。こればっかりはやっていくしかない」とフォローする。
 
 今は生みの苦しみを味わう時なのだろう。しかし、家長が本領を発揮できるようになれば、川崎が強力な武器を手に入れることになる。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【関連記事】
【川崎】中村憲剛が語る開幕戦勝利の意味。渾身の“ジャスティスポーズ”は……
【川崎】新キャプテン小林が躍動! 4年連続での開幕戦ゴールには「予感があった」
【J1採点&寸評】大宮×川崎|小林、中村が揃い踏み!大宮の堅守速攻に苦しみながらも川崎が新体制初勝利
【J1速報】川崎の小林悠が1得点・1アシスト&「1セーブ」!獅子奮迅の活躍で大宮を2-0撃破
【FC東京】大久保が鹿島戦後に漏らした“本音”
【金田喜稔のJ1順位予想】本気度が高いFC東京は2強に迫れる。降格候補は甲府、札幌、清水か

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ