【札幌】コールはやがてゴールに変わる――分かち合った65の歓喜がJ1の道を作った

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年11月20日

勝点85を積み上げて、堂々のJ2王者の座に。

大勢のサポーターを背に。クラブ一丸となって掴んだJ2優勝とJ1昇格だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J2・42節]札幌 0-0 金沢/11月20日/札幌ド

 主審のホイッスルが高々と鳴り響くと、33,697人を飲み込んだ札幌ドームは大きな拍手とともに喜びに包まれた。J2優勝、そしてJ1昇格を勝ち取った事実は、それによって改めて証明された。
 
 今季、札幌は25の勝利と10の引き分け、そして少しの敗北を刻んだ。積み上げた勝点は85。シーズン最終盤に失速したが、堂々の戴冠である。
 
 そんな優勝クラブのホームスタジアム、札幌ドーム内のコンコースの至るところにあるポスターが貼ってある。そこには簡潔に、それでいてサポーターの想いを掻き立てる言葉が載っている。
 
「コールはやがて、ゴールに変わる!」――。
 
 札幌市豊平区から応援に駆け付けた作井宏さん・真由美さん夫婦は言う。「声を出さずにはいられない。自分はプレーすることができないけど、声援を送ることはできるから」。
 
 宏さんは仕事の関係で足を運べないこともあるが、真由美さんは今季のすべてのホーム試合で札幌ドームに駆け付けた。
 
「選手も監督もスタッフも、クラブに関わる全員がそれぞれの持ち場で自分のできることを精一杯やってくれている。私たちサポーターができるのは応援すること」
 
 サッカー大好き一家だと自負する岩谷ひさ子さんは息子さん夫婦と最終戦を見届けに来た。札幌市から250キロ以上も離れた北見市に自宅がある。息子さん夫婦は神奈川県川崎市在住。
 
 ちなみに息子さん夫婦は41節・千葉戦を観戦に行ってテレビに映ったらしく、さらにその奥さんは40節・徳島戦にひとりで出掛けた根っからのコンサドーレっ子だ。
 
「クラブができた時からサポーターをやっています。遠いからなかなか札幌ドームに来られないけど、今日は最終戦だから。燃えていますし、選手に気持ちを託したい」
 
 現地応援組だけではない。テレビに噛り付きながら、仕事をしながら、他の用事をこなしながら。何万という人が赤と黒の縦縞ユニホームを身に纏った選手たちを後押しした。
 
 1シーズン、42試合を戦って生まれた札幌の得点は65。コールは、ゴールに変わった。そうして生まれたゴールが、クラブを2012年以来のJ1へと運んだのだ。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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