夏の扉は開けたが、冬の扉は重くて堅かった。
 
　いったい、何度この扉の前で涙を呑んだだろうか。だが、ついにその涙の積み重ねが結実するときがやってきた。関東一、悲願の選手権初出場だ

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　昨年のインターハイではベスト４に入るなど、全国レベルの力を有しながら、冬に関してはなかなか到達できなかった。予選決勝にも過去２度進んだが、2011年度はPK戦で、2012年度は後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決められ、悪夢を見た。そして、「３度目の正直」となった今回の決勝で、ついに歓喜を掴んでみせたのだ。
 
　今年のチームは石島春輔（３年）と鈴木友也（３年）のCBコンビ、ボランチの立石爽馬（３年）、司令塔の冨山大輔（３年）とセンターラインが強固なチームだ。立石が怪我などの影響で戦列を離れることがあったが、それでも屋台骨が揺らぐことはなく、ボランチの菅屋拓未（３年）、FW景山海斗（３年）の台頭もあり、大崩れしないチームに仕上がっていた。
 
　インターハイ予選では安定した試合運びで見事優勝を果たし、２年連続の本大会出場を決めた。２回戦で２年連続での対戦となった市立船橋（千葉）に０－１で敗れて苦汁を舐めたが、そこからチームはさらにタフになった。
 
　夏以降はＴ１リーグ（東京都リーグ１部）で昨年度選手権準優勝の國學院久我山に３－２で勝利を収めると、東京Ｂ代表になった駒澤大高を相手にも０－０と負けなし。そして今予選でも決勝まで勝ち上がり、Ｔ１リーグ王者の成立学園を向こうに回し、後半５分にMF林健太（３年）が鮮やかなオーバーヘッドで挙げた１点を守り切った。