【選手権予選】石川|まさに番狂わせ。星稜はなぜ敗れ去ったのか

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2016年11月06日

「鵬学園は大事なモノを持っていた」(河崎監督)

18年連続出場を逃した星稜。来年以降どのようなチームを作り、巻き返しを図ってくるのか楽しみだ。写真:松尾祐希

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ま試合終了の笛が鳴るまで、猛攻を仕掛けたが……。1点が遠かった。写真:松尾祐希

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 とにかく1点が遠く、「あのワンチャンスだけだったので、主導権を握っていたなかで点が入ったか入っていないかの違いだけだった」と、主将のGK高橋謙太郎(3年)は振り返る。
  
 2014年度の選手権で初優勝を果たし、昨年まで4年連続で4強以上に進出していた星稜。「想定はしていましたが、(先制点が取れなければ)苦しくなるのは当然。最後まで取れなかったということで、力がなかったと思うしかない」(河崎護監督)というチームは、最後まで鵬学園のゴールをこじ開けられず、17年連続で掴んでいた本大会の出場権を逃す事態に陥った。
  
 序盤から決定機は作っていた。しかし、河崎監督が「集中すること以上に跳ね返すという気持ちの部分で、鵬学園は大事なモノを持っていた」と話すように、そのことごとくを相手に阻まれた。15分にFW窪田翔(3年)が鵬学園GK的場大輝(1年)に競り勝って放ったヘディングシュートは、ゴールライン上でDF中村愛暉(2年)がクリア。後半に迎えた幾度の決定機も的場に防がれ、最後まで得点を奪えないまま、試合終了のホイッスルを聞いた。
 
 試合後、「今年も全国の舞台に立てると思い込んでしまって、(鵬学園に)やられるかもしれないという危機感や、当事者としての意識が欠けていた」と高橋は語った。たしかに、つねにゲームを優位に進めていたのは星稜だ。ただ、「(どこかで)1点は入ると思っていた」(高橋)というメンタリティーがチームを支配し、最後まで立て直すことができなかった。
 
 18年ぶりに選手権出場を逃し、余りにも早すぎる終戦となった。今年のチームは県新人戦優勝こそ逃したが、夏のインターハイではベスト16まで勝ち進んだ。個々の力を見ても、エースの窪田を筆頭に昨年の選手権で抜群の存在感を示したDFリーダー、岡田勇斗(3年)などタレントは揃っていた。しかし、わずかな隙が星稜を県大会敗退に追い込んのだ。
 
 だからこそ、この結果を受け止め、「悔しい想いと、取り返すために頑張るぞという想いで切り替えていくしかない」(河崎監督)。「後輩になにもしてあげられなかった。俺たちが連れていかなきゃいけない舞台だった。それを経験できなかったことは痛いですけど、この負けを知っているぶん、強くなれると思う」と高橋が言うように、残された下級生たちは敗北からしか得られない貴重な経験値を手に入れた。
 
 この敗戦を糧に星稜は、どのような再出発を果たすのか。「1、2年生には期待するしかないし、僕らのぶんも頑張ってほしい」(高橋)という先輩の言葉を噛み締め、来年に向けた戦いをいまこの瞬間からスタートさせる。
 
 
取材・文:松尾祐希
 
 
 
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