時代の変化とともに前進し続けるクラブシーン。

潤沢な資金をよりどころに魅力的なキャスティングを実現するプレミアリーグ。イブラヒモビッチ(左)、アザール(右)など数多くのスター選手を抱え、その人気は代表戦を上回るものとなっている。 (C) Getty Images
欧州の代表ウィークが終わり、イングランドにクラブシーンのフットボールの活況が戻ってきた。
近年、欧州の予選は参加枠が増え、より多くの国が加わるようになったことでフットボールの質が低下したようにも見える。当然、イギリス全土も2週間に渡る代表戦を過ごしたわけだが、ファンが熱狂するようなことはなかったように私は思う。
最近の代表戦とチャンピオンズ・リーグ(CL)やプレミアリーグを比較した時、多くのフットボールファンがクラブチームの試合を観戦しに出向くと私は思う。なぜならクラブシーンは列強国のスターが集い、ハイレベルな戦いを繰り広げているからだ。
リバプール対マンチェスター・Uやバルセロナ対マンチェスター・C、チェルシー対マンチェスター・Uとイングランド対サンマリノ、ベルギー対ジブラルタル、スイス対アンドラといったカードを比べた時、あなたはリーグ戦と代表戦のどちらを見るだろう?
現在、FIFAはワールドカップへの参加国数を現行の32から48にするという大会の品質をより一層下げかねない案を検討しているという。
私が幼かった頃、世界のベストプレーヤー全員がトップリーグでプレーしているわけではなかった。今のようにインターネットが発展していたわけではなかったから簡単に各国リーグの模様をチェックできなかった時代だ。
ゆえに、スターを見るには代表戦を待たなくてはならなかった。ディエゴ・マラドーナを見るのも、彼がウェンブリーでイングランドと対戦するのを見たのが初めてのことだった。
今日では世界の各国リーグのどんなプレーヤーだってテレビで見ることが可能となった。
代表戦の人気が低下している理由として考えられるのは、クラブシーンがちょうど盛り上がりを見せ始めたタイミングで行なわれているということも挙げられる。
リーグ戦での上位対決やCLといった注目度の高い試合が続き、盛り上がりが高まっていくなかで、列強国と小国の対決が繰り広げられる代表戦によって中断することにファンは苛立っているはずだ。
もちろん、10月6日に行なわれたイタリア対スペイン(△1-1)のようにハイレベルな戦いが見られるのであれば、代表戦は面白い。しかし、当然のことながらそうした激闘が毎節行なわれるクラブシーンには及ばない。それだけクラブシーンがエンターテインメント性とフットボールのレベルで前進し続けているのだ。
文:スティーブ・マッケンジー
スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
近年、欧州の予選は参加枠が増え、より多くの国が加わるようになったことでフットボールの質が低下したようにも見える。当然、イギリス全土も2週間に渡る代表戦を過ごしたわけだが、ファンが熱狂するようなことはなかったように私は思う。
最近の代表戦とチャンピオンズ・リーグ(CL)やプレミアリーグを比較した時、多くのフットボールファンがクラブチームの試合を観戦しに出向くと私は思う。なぜならクラブシーンは列強国のスターが集い、ハイレベルな戦いを繰り広げているからだ。
リバプール対マンチェスター・Uやバルセロナ対マンチェスター・C、チェルシー対マンチェスター・Uとイングランド対サンマリノ、ベルギー対ジブラルタル、スイス対アンドラといったカードを比べた時、あなたはリーグ戦と代表戦のどちらを見るだろう?
現在、FIFAはワールドカップへの参加国数を現行の32から48にするという大会の品質をより一層下げかねない案を検討しているという。
私が幼かった頃、世界のベストプレーヤー全員がトップリーグでプレーしているわけではなかった。今のようにインターネットが発展していたわけではなかったから簡単に各国リーグの模様をチェックできなかった時代だ。
ゆえに、スターを見るには代表戦を待たなくてはならなかった。ディエゴ・マラドーナを見るのも、彼がウェンブリーでイングランドと対戦するのを見たのが初めてのことだった。
今日では世界の各国リーグのどんなプレーヤーだってテレビで見ることが可能となった。
代表戦の人気が低下している理由として考えられるのは、クラブシーンがちょうど盛り上がりを見せ始めたタイミングで行なわれているということも挙げられる。
リーグ戦での上位対決やCLといった注目度の高い試合が続き、盛り上がりが高まっていくなかで、列強国と小国の対決が繰り広げられる代表戦によって中断することにファンは苛立っているはずだ。
もちろん、10月6日に行なわれたイタリア対スペイン(△1-1)のようにハイレベルな戦いが見られるのであれば、代表戦は面白い。しかし、当然のことながらそうした激闘が毎節行なわれるクラブシーンには及ばない。それだけクラブシーンがエンターテインメント性とフットボールのレベルで前進し続けているのだ。
文:スティーブ・マッケンジー
スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。