10月22日（現地時間）、ブンデスリーガ第８節でドルトムントはインゴルシュタットと３-３で引き分けた。
 
　最下位チームの敵地に乗り込んだドルトムントのスタメンには、体調不良で欠場が予想されていた香川も名を連ねた。
 
　試合は、開始６分に早くも動く。右タッチライン際のFKから、真っ先にゴール前に飛び込んだコーエンが左足のダイレクトボレーを突き刺し、ホームチームがリードを奪った。
 
　劣勢を予想されたインゴルシュタットは、守備に重きを置きながらも、機を見て鋭いカウンターを仕掛け、たびたび相手ゴールに迫っていく。
 
　一方、思わぬ失点を食らったドルトムントは、持ち味のパスワークが鳴りを潜め、単発かつ単純な攻撃に終始。デンベレが強引に仕掛けるか、怪我明けのカストロの遠めからのシュートぐらいしか、効果的なプレーは見られない。
 
　香川は、守備では自陣まで戻ってボールを奪い取るなどの貢献を見せるも、攻撃では無難な横パスかバックパスしか出せず、決定的なプレーに絡むことも、作り出すこともできなかった。
 
　そして24分、インゴルシュタットは１点目同様、右タッチライン際のFKから、今度はレスカノが頭で合わせてゴール。何と、最下位チームが２点のリードを奪った。
 
　チームとしてメリハリのあるプレーを見せるホームチームは勢い付き、ピッチを広く使った攻撃から、37分にヒンターゼーア、44分にレスカノ、そしてアディショナルタイムにもコーエンが次々に得点機を得た。
 
　前半で勝負を決められていてもおかしくなかったドルトムントは、後半立ち上がりからパク・チュホに代えてプリシッチを投入。３バックにしたことで、攻撃選手の役割が明確になり、何もできなかった前半とは打って変わり、再三相手ゴールに迫る。
 
　カストロに代わってゲッツェが登場した直後の59分に、左サイドを抜け出したデンベレのクロスからオーバメヤンがヘディングシュートを決めて１点を返した際には、一気にドルトムントが逆転に持ち込むものと思われた。
 
　ところが、直後にインゴルシュタットは右サイドを崩し、SBハデルジョナイがグラウンダーのクロスを入れると、レスカノがこれに合わせて自身２点目。インゴルシュタットはリードを再び２点に広げるとともに、ドルトムントに傾いていた流れも取り戻す。
 
　ドルトムントは焦ったのか、失点の直後にCBバルトラが前線まで攻め上がるが、逆にカウンターを食らい、完全に抜け出したハルトマンの決定的なシュートを浴びる。ここでは幸運にも、左ポストに救われた。
 
　以降、時間の経過とともにドルトムントの攻勢は強まるも、今シーズン初勝利に執念を燃やすインゴルシュタットは粘りの守備を見せる。79分にパスラック、86分にゲッツェ、89分にオーバメヤンにシュートを浴びるも、GKニュランの好守などでこれらを防いだ。
 
　ドルトムントの波状攻撃が続くなかで、試合はアディショナルタイムに突入。それから間もなく、パスラックのクロスをピシュチェクが頭で合わせると、これはニュランのセーブに遭うも、プリシッチが詰めて、ついにドルトムントは追い付いた。
 
　ここから勝点３を狙ったドルトムントは、力を緩めずに次の１点を狙ったが、パスラックのクロスをオーバメヤンが頭で合わせた決定的なシュートは、わずかにゴールマウスを捉え切れず、試合は３-３で終了した。
 
　思わぬ展開で常に後手を踏み、土壇場で辛うじて追い付いたドルトムント。戦前は勝点３を計算していた一戦だったが、内容を見る限り、勝点１でも満足しなければいけないだろう。これで２戦連続の引き分け、３戦連続未勝利となった。
 
　香川は73分にパスラックとの交代でピッチを退いた。出場した他の攻撃選手に比べると、今回も明らかに相手に脅威を与えるプレーは少なく、存在感を発揮したとは言えない。次の公式戦は26日（水）のDFBカップ２回戦・ウニオン・ベルリン戦。公式戦３戦連続のスタメン、５戦連続の試合出場はなるか。